第27話:初報酬!

 外野の声で「ここに職員は?!」と言う声が聞こえたからか、大慌てで採集した薬草を置く場所から職員たちが戻って行った。


 やっぱりサボって…げふんげふん、職務放棄はいかんよ?


 ただ、俺に声を掛けてくれた男性だけは残ったままだ。


 彼は説明ってか、聞く為に残ったんだろうな。


「リョータ、

 毒消し草はから見つけられたのか?」


 鑑定って誰もが持ってるのかね?


 判らないから隠した状態で文字を書いて行くか。


[知っていたと言うより覚えてた・・・かな?

 僕、記憶喪失らしくて、

 元々知ってたのかすら判らないんだ]


【鑑定は多くの人が持つスキルでは無いからの。

 そのまま隠しておくのが得策じゃ】


 あー・・・やっぱり。


 神様からの助言が時々、来てくれるから助かります。


「記憶喪失なら、

 判らなくても仕方ないな。

 毒消し草は大量に自生していたか?」


[(これは鑑定が無いと見つけ辛いって教えて貰ってるから)

 僕が見つけたのはだけで、

 他は雑草?だったよ]


「そう、だよな。

 ギルマスが呆けたままだから、

 サブマスの権限で報酬を支払っておこう」


 流石にギルマスをサポートするサブマスっているんだね。


[ありがとー!

 あ、ギルマスに対して倍額請求して良いって、

 冒険者のお兄さんが言ってたけど、

 貰えるのかなぁ?]


「あー・・・。

 オーウェンの奴は再起不能状態だからなぁ・・・。

 倍額、出しておこう」


[ありがとー!!]


 ギルドの2階へ上がって行ったサブマス(面倒だからサブとするか)。


 銀貨5枚(5000円)で装備が揃えられて宿泊も出来る・・・な~んて事ないだろうから採集か討伐で稼がないとな。


「待たせたな」[そんなに待ってないよ?]


 数分しか経過して無いと思うんだけど、申し訳なさそうに降りて来るとか、どんだけオーウェンさんが呆けてるか判るってモンだな。


「じゃあ10本銀貨1枚だから5枚で・・・倍だから・・・」


 ん?まさかと思うが算数が壊滅的!?


 (えっと10本で銀貨1枚。50本持って来たから銀貨5枚の倍額だから10枚。と言う事は金貨1枚だよな?)


[金貨1枚?]


 合ってるよな?いつも電卓つかって計算するから不安しかないけど…。


 実際の硬貨を机にならべて計算しているサブ。


 いや…それはそれで正しく計算は出来るけども…物凄く、時間かからないかね?


 こっちの世界にソロバンってのあるか判らないが、近い品を今すぐじゃなくても提案してみるか?


 ようやく答えを導き出せたらしい。


「待たせてすまん、

 そのまま渡しても良いんだが、

 小銅貨や銅貨を多く持った方が良いと思うぞ?」


[あれ?もしかして銀貨は流通してるけどそれ程、

出回って無いの?]


 本来、こんな聞き方したら「何で通貨の事、知らないんだ?」ってなるんだろうけど、記憶喪失設定が生かされて、疑問に思われないのは有難いな。


「まあ、そんなところだ。

 で装備やらを揃える予定があるなら、

 銅貨を持っていた方が良いしな」


[へぇ・・・子供用の武器とかが安いって事?]


 安いが粗悪な品なら考えを変えて、自分で作る方向に持って行かないとだが・・・。


「安くても粗悪な品は売り出される事は無いからな」


 粗悪な品が無くて安いとか…素材のミスリルとかオリハルコンとか…異世界あるあるな品がザクザク出るのか?


 まあ今の時点で鉱石があるとか知らないから何とも言えないけど…(鉱山があるなんて事すら知らないし)。


[そうなんだ]


 リョータは安すぎる品ぞろえを見てないから簡単に返事をしているが、あまりにも安くて品質の良い品しかない事に驚くまで、もう少し

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