第293話:異世界初の乗り物への序章…?(1)
最初に作るべきは4人乗りの車か?と思ったのだが、リョータの知識にあるのは現代知識で作られた「電気自動車」や「自動ブレーキシステム」がついた車。
しかし車が作られた時代に「そんな物は存在しない」と言う事くらい、理解している。
が、神様から託された事により、まずは調べる事から始める事としたのだ。
えっとぉ…ググるとしたら「世界、初めて、車」で出るか?
サクっと調べてみれば「初めて作られたのは蒸気で走る車」と言う表記だった。
だが、見た目は「どうみても荷車に蒸気システムを積んでみました」状態。
「うわぁ…車の最初って馬車っぽいまま…そりゃそうか。
考えたとしても蒸気で走らせてみようって考えても変ではないな。
しかし…そうなると…此処は異世界で魔法あり…って事を考えれば…」
魔力を貯められる物体を作り、組み合わせ魔力をエネルギーとして使う事で「前に進む力」が生み出されたら便利?と言う考えに行ってしまうのは仕方ない。
うーん…形的には馬車のまま馬を使わずに…あぁ、昔の車って言うかクラシックカーって馬車っぽくなかったっけ?
取り合えず…と取り出したのは
これもサミーの所で見つけた品ではあるが、買い手がつかないからと貰ったと言うか使える物なら広めてくれないだろうか?と託された品。
リョータは見た瞬間「メモ紙として使えるしノートとして使えるかも!」と思い喜んで引き取ったが実際は使えなペラ紙(見つけた話はいずれ)。
異世界商店から画用紙を購入し、シャーペンを取り出して馬車を基礎とした車を考えて行く。
カリカリ…と何かを書き出す音だけが森の中に作られた室内に響く。
リョータは特段、イラストが上手な訳では無い。が、判って貰える程度なイラストを描いて行けば、それなりの職人が見れば「作成意欲が沸く」だろうと言う思いで作って行く。
まず書き始めたのは見た目…勿論、侯爵などの爵位を持っている子息たちや令嬢たちが乗る馬車を「見た事がある」から描けると言う程度ではあった。
乗りやすさを考えれば車高は低い方が良いだろう。
何しろ女性はドレスで移動だろうし、中世ヨーロッパも馬車に乗る際は、階段付きのすらあったもんな。
ドレスでも乗り降りが楽な高さなら…うーん…何センチってあった方が職人さんが作る場合でも判り易いかねぇ。
ならサミーさんに協力ねがうか。
令嬢に「願い出たとしても拒絶される可能性がある」からではあったが、リョータの知り合いで令嬢と言ったら、サミーしか思い浮かばなかった(アヴェルの令嬢も見知った令嬢ではあるが記憶から除外されている)。
次に室内…馬車の中を見知っていると言えば2回とも侯爵家。
1回目は転生したてのホヤホヤの時で何の情報も持って無い時、2回目は白米の作り方を伝授する時。
どちらも乗り心地は最高と言えるが1回目は緊張しすぎて記憶にない。
なので2回目に乗ったルーカス家を参考にして描き始めるリョータであった
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