第33話:知りたい事だらけ

 昨日、助けてくれたお兄さんが


「ランク知りたいんだったら、

 受付に教えて貰うよう伝えておいてやるから、

 後から来い」


 と先に受付のお姉さんへ、伝言してくれるっぽい事を言ってくれた。


「ありがと!」


 何とも親切な人だな・・・と思ったら、彼はSSランク目前の猛者だそうで、ランクに恥じぬ行いを普段から実行しているそうだ。


 受付まで行くと、ケイトさんが待っていてくれた。


「マスターが度々、

 失礼な事して御免なさいね~」


 申し訳なさそうな表情で、苦笑するケイトさん…ギルマスが悪いんだから、そんな顔したら駄目ですよ?とは言わない、何せヤラかしまくってるぽっぽいからね。


「ううん、

 職員さんなのに気づかないのが悪いんだよ!」


「ふふ、じゃあランクだけで大丈夫かしら」


「ランクと1年の区切り・・・それから季節?

 あと学校に行くのに必要な事があったら教えて下さい!」


 ランクは勿論、知らなければならないけど、1年の区切りがどうなっているか。


 そして学校に行く条件や入学時期を知りたいと思ったんだよな。


「じゃあランクから説明するわね。

 最高ランクはSSだけど伝説の戦士は、

 S3だったと言われているわ。

 下から言うとF、E、D、C、B、A、S、SS。

 リョータ君は当然Fから始まっていると思うけれど、

 昨日の採集でランクはEに上がる筈だから、

 カードを後から出してね」


「そんなに直ぐ、上がるものなの?」


 いくらなんでも初日にEまで上がるとは思えないんだけど・・・。


「それはねギルマスが事が影響してるのよ」


 あ・・・そう言えばランクを上げて貰えとか言われてたな。


「そうなんだ、

 普通は努力しないと上がらないんでしょ?」


「そうねぇ。

 1つ上のランクまで依頼受ける事が出来るから、

 強い魔物を倒せば上がりやすくなるわね」


「へぇ・・・。1年の区切りは?」


「12か月で区切られていて、

 1月から12月までが1年と呼ばれてるの。

 季節としては春、夏、秋、冬で区切られてるわ」


 何と、日本と同じとか助かった!


 あ、でも梅雨ってあるのか判らないな。


「ギルマスからは今年、

 学校に行けないって言われたんだけど、

 入学できる時期を過ぎてたのかな」


 日本で入学シーズンと言えば4月なのだが、ここも同じとか言うんじゃ・・・。


「ギルマスったら季節を間違えてないかしら。

 一応、春先と秋口に入学できる仕組みが作られているの。

 今は5月だから9月に入れるわよ?」


 マジか!?だったら4か月の辛抱って事?!


「入学に何か必要だったりするのかな」


「そう言えば記憶が無いとか言ってたわね。

 必要なのは魔力くらいだから大丈夫よ」


「学校の種類って魔法学校と剣術学校だっけ?」


「それ教えて貰ったのに、

 ランクを教えて貰えなかったのねぇ。

 魔法学校は魔法に特化していて、

 剣術は剣と魔法を組み合わせるから器用さを求められるわね」


 うーん・・・魔法を覚えるなら魔法学校だね。


「どの学校でも行くのは自由?」


「確か選定の儀が行われる筈だから、それで決まる筈よ」


 そう言えば、そんな事を言ってたな~(忘れてたや)。


「その選定の儀は何時あるの?」


「そろそろだと思うわよ?

 入学に必要な制服を渡す事も含まれて来る筈だし、

 学校から遠い人や定住していない冒険者の為に、

 寮が用意されているから、

 必要な品を買い揃えなくても良いように、

 揃っていたわね」


 へぇ・・・日本は親が本やらランドセルやらを買って用意したけど、異世界こっちは学校が用意してくれるのか。


 凄く便利♪


 最大の不安要素は「規格外なステータス」だと踏んでいる。


 何せ「全属性所持者」だもん、絶対、絡まれる案件…避けられぬとかせぬ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る