第144話 VSエルフ軍(その8)

精霊の森最奧に着くと、元精霊王ファイアードレイクのドレグルが現れた。


ドレグル「おれはドレグル。貴様らが樹海の者共か!」


「樹海の王ヒロトだ!」


レイ「私が精霊王、世界樹のレイよ。」


ライゾウ「俺はヌエのライゾウだ。」


俺とレイ、ライゾウ以外は後で見守っている。


ドレグル「新精霊王は隣の女のようだな。ふふふ。木の精霊か、精霊力はあまり俺と変わらんようだな。そして属性の相性は最悪だったな。俺が炎で貴様が木だったとはな。がはははは。」


レイ「そうかしら?」


「レイ、こいつ精霊なのに精霊王の言うこと聞かないようだね。」


レイ「この分身体は、さっき契約解除の魔法を、森全体にかけたので、精霊力がかなり減ったわ。精霊力に極端な差がないと、言うことを聞かせる事が出来ないのよ。」


ライゾウ「こいつ言うほど精霊力ないよ。俺と変わらんし。」


ドレグル「ヌエの小僧か。俺と勝負するのか?」


「とりま確認からかね。お前が自己保身の為に不当な契約で長年精霊たちを苦しめた張本人だな?」


ドレグル「精霊は精霊王の言うことを聞く事が仕事。精霊王の為になるのは当然の事だ。」


「酷いことをいってるので、ささっと倒しちゃいますか。」


ライゾウ「なんか、こいつのせいで長年腕輪に縛られていた事を思うと、沸々と怒りがこみ上げてくるな。」


ドレグル「ぐふふ。そう簡単に行くと思うなよ。精霊達は皆、貴様らの配下になったようだが。俺は炎。物理攻撃は効かないし、木や雷では殺せんよ。そして炎は木を焼き尽くす。」


ドレグルは素早くレイに体当たりして焼き尽くした。


ドレグル「ぐはははは。これで俺が精霊王に返り咲いたぞ!また精霊どもを呼びつけて、お前らも倒してやる。」


レイの分身体が俺の左腕からまた現れた。


レイ「分身体をいくら焼いても死なないから、精霊王は変わらなくてよ。」


ドレグル「分身体?まさか!分身体で俺より精霊力が多いのか!」


レイ「そのようね。この分身体はまだ魔法を使ってないから、充分言うことを聞かせられそうね。」


ドレグル「え!・・・、本体はどれだけ精霊力があるんだ。」


レイ「さあ、無限にあるみたいよ。分身体も無制限に出せるわ。」


レイの分身体が次々と表れて、ドレグルの周りを囲んだ。


ドレグル「な、なにをさせようというのだ。」


レイ「精霊力にこれだけ差があれば焼くことも出来ないでしょう。」


ドレグル「そんな事はないはずだぁあああ!」


ドレグルはレイの分身体の一人に飛びかかる。


先ほど焼き付くした世界樹を今度は焼き付くす事が出来なかった。


レイは自分の精霊力を身に纏いドレグルを弾き返す。


ドレグル「そ、そんな、ば、馬鹿な。」


「レイ、さっさと倒して帰ろうよ。」

レイ「承知しました。」

レイの分身体は一つになった。

ドレグル「ど、どうする気だ!」


レイ「死んでちょうだい。」

ドレグル「え!ん、ん、ぐふ・・・・。」

ドレグルはレイの言葉に必死に抵抗するがかなわず絶命した。


「意外とあっけなかったね。」

レイ「精霊は精霊王に逆らえないのよ。」

ライゾウ「あねさん怖いです。」

ライゾウはぶるぶる震えている。

レイ「いつからあねさんになったのよ!」

レイが突っ込んだ。


レベルアップのメッセージが流れている。


スパが現れた。

スパ「エルフとの戦いを監視していた、商業国家トレセルとステラド帝国から会談の要望が有りました。如何致しますか?」


「俺を魔王認定する国とは話す事は無いな。」


スパ「承知しました。その様に伝え断ります。」


「宜しくね。さあ皆帰るぞ!」


俺達は解放した精霊達を連れて樹海王国に飛んで帰った。


生き残ったエルフはそのまま残した。


後ははぐれのエルフが契約している精霊を探して解放ぐらいか。


スパに調べて貰う事にした。

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