第51話 VSオーク軍(その2)

ガリア町の住民数人が樹海に入っていた。


冒険者は先のゴブリンとの戦いで撤退した際、ガリア町には戻らず他の町に流れた。


また冒険者ギルドのギルド長、副ギルド長が相次ぎ亡くなったため、冒険者ギルドは休業状態。


冒険者の依頼で入手する魔物の素材、魔石で商売している商人にとっては死活問題だ。


商人自らまたは依頼された住民が密かに、樹海に薬草等の素材を取りに来ることは以前からあった。


流石に魔物討伐は出来ないが、薬草くらいなら住民でも何とかなる。


スパから住民の件で報告があり、そんな状況を見ている俺達。


アリア「住民が危ないわ。」

「うん、住民がオーク軍に見つかるかもね。」


スパ「オーク軍の小隊が近づいてきてます。」

ヒナ「小隊は多いね。」

オーク軍の小隊は100人ぐらい。


ゲリラ戦になってから、オーク軍は少数で行動する事が少なくなった。

見回りするだけでも、100人単位で行動する事が多い。


「はぁ~。助けるか。」

樹海に来るなって冒険者に言ったのにな。住民には伝わってなかったのか。


「コボミ、オーク軍に見つからないように、住民とは反対側で爆発の魔道具を動かしてくれ。」


住民がオーク軍を発見する。

その数を見て驚きすぐに逃げ出す。


住民と逆の方向、オーク軍小隊の右斜め前方で爆発音。

オーク軍は住民に気付かず、爆発音の方向に走り出す。

爆発音がした場所では、魔道具の残骸があるが他には何もない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


ガリア町の領主の館、領主の間。

禿げ上がった前頭部。

金髪だが白髪も多い。

小太り。低い身長。

ギラギラした目。

脂ぎった顔。

高級な貴族の服。

50代のアーシュ男爵はイライラしていた。


冒険者ギルドが活発だった頃は、領地の収益は大きかったが、現在は極端に少なくなった。


アキート商会を潰して財産を奪おうとし、失敗してからどうも領地経営が上手く行かない。収入が減っていく一方だ。


頼みにしていた冒険者ギルド長『災厄のゼータ』も、ゴブリン討伐で失敗して帰ってこない。

今日は樹海にいった住民から、オークの大軍を見たと報告があった。


直属の上司アラント辺境伯経由で王に樹海への派兵をお願いし、了承してもらってから随分時間がたつが、まだ出兵の知らせはない。


執事が領主の部屋にノック後、入って来た。

執事「アーシュ様、王家より出兵の準備が出来た旨、連絡がありました。」

アーシュ「やっと来てくれるか。して何人ぐらい派兵しいただけるのだ?」


執事「アレオン将軍を大将として、兵数は2万!宮廷魔術師部隊も参加しています。

アーシュ「おお!国軍あげての討伐だな。オークの件も急いで連絡しなさい。」

執事「かしこまりました。」


その話を聞いてる俺達。

「アリア、どう思う。」

アリア「アレオン将軍はガラード王国一番の将軍です。宮廷魔術師も参加となると国も本腰を入れての討伐だと思います。」


「兵数は少ないよね。」

アリア「そうですね。ゴブリン、コボルトだって同数の兵数は必要だと思いますが、オークの場合最低でもオーク1匹に対して人間2人は必要です。」


「宮廷魔術師が参加してその差は何とかなるもの?」

アリア「何ともなりません。オークが2倍強では敗退は確定でしょう。」


「スパ、王都にも小蜘蛛の派遣って出来る?」

スパ「全く問題ありません。監視しながら眷属を増やしています。戦闘の際は密かに近くにいてレベ上げもしっかりしており、樹海のスパイダー系の魔物はほぼ全て眷属化しています。」


「おお!流石スパ。頼んだよ。後は国軍の様子も監視してね。」

スパ1「承知しました。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて会議をしましょうか。


【参加メンバー】

俺の側近達、

 俺ヒロト、ハク、レイ、ライゾウ、

 リザ、スラオ

俺の婚約者

 ヒナ、アリア、スパ、ハピ、コボミ

領主

 湿原の女王:リンダ

  *初登場、蛇王の長女

   種族:ゴーゴン。

 ダークエルフの女王グレイア

 コボルト領領主コボ1

 ゴブリン領領主ゴブ1

 オーク領領主オク1

その他

 蛇王:リザルト

 将軍:リガント

 外務大臣:アキート

 獣人国辺境伯:ガネーシャ

 

「念話で伝えた通り、ガラード王国から出兵があった。アレオン将軍を大将として、兵数は2万。

宮廷魔術師部隊も参加するらしい。


これを機会に我が国もオーク軍に総攻撃を行う。

みんな!出撃の準備をしてくれ。」

みんな「承知しました!」


「国軍とオーク軍は野戦で戦闘を行うと考えられる。

われわれがいるので、全軍出撃する事はない。

国軍2万に対しオーク軍は2万~3万だろう。

集落に残ったオーク軍2万~3万を強襲する。

その隙にいつものように俺たちが、オークエンペラーを倒す。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る