第181話 シルミル教国の崩壊(その1)
樹海王国から樹海帝国に変わった事を周辺国に宣言。
周辺国と言ってもステラド帝国とシルミル教国しか無くなったけどね。
シルミル教国には無視された。
ステラド帝国は宣言を受理し、お祝いを届けたいと言い出した。
ステラド帝国は魔王認定も取り消したし、終戦して戦争前の状態に戻りたいのだろう。
戦争中なのにお祝いって、おかしいでしょ。
お祝いはお断りした。
一方シルミル教国は末期だ。
食料危機と塩不足。
樹海帝国の鎖国に伴い、貿易はステラド帝国からしか出来ず。
それでも小国群があった頃は、ステラド帝国経由で小国群と貿易が出来て、なんとか
ステラド帝国も余裕があるわけでは無いので、支援は途絶えた。
貿易も段々少なくなる。
東の山脈を越えて大自然の素材を求めたが、始めからそんな事が出来ればやってる訳で、苛酷な山脈は越えられず。
内政も宰相が逃げて、ガタガタだ。
宰相は樹海帝国で引き抜いたんだよね。
あちこちで反乱や一揆が頻発している。
ステラド帝国へ過剰な要求を度々するようになると、ステラド帝国のシルミル教国の印象は最悪になり、
元々、シルミル教国で魔王認定した樹海の王に対して、ステラド帝国が勝手に認定取り消ししたので、不仲にはなっていたようだけどね。
シルミル教国の国民の大部分はシルミル教を信仰しているが、皆熱心な教徒とは限らない。
温度差はある。
不熱心な教徒は改宗して帝国に逃げ出し始めた。
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剣聖アバンニを加えた勇者タクミとその一行は反乱の鎮圧に奔走していた。
タクミ「反乱の鎮圧なんて、勇者のやることじゃないぞ!」
聖騎士シレオマがタクミの隣を歩く。
シレオマ「そんな事を言わず、手伝ってください。
教国の危機なんですから。
騎士団も各地の反乱鎮圧で手が足りないのです。」
剣聖アバンニはその後ろをついてくる。
アバンニ「手応えのある奴もいないしな。元々の話が違うぞ。
俺は樹海の王と戦うと聞いて勇者パーティに参加したのだ。」
聖女シエットがアバンニの横を歩く。
シエット「でも反乱鎮圧しないと、樹海王国と戦う事もできないわ。」
アバンニ「別に戦争で戦わなくても、闇討ちでも良いのだ。
俺は今まで一対一で負けた事がない。
一対多でも負けた事がなかったが、ガラード王国と樹海王国の戦で王とその側近の二人に二対一で負けた。
リベンジしたいだけなのだ。」
シエット「そんな事言わずに手伝ってください。
いずれ樹海王国とは戦になります。
樹海王国の結界がある限り闇討ちも出来ないでしょう。」
アバンニ「う~ん。そうだな。
しょうがない。」
その後ろから、新規加入の魔法使いシグライが無言でついていく。
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