第170話 VS小国群(その1)

商業国家トレセルが樹海王の魔王認定を取り消した直後。


狩猟国家ハンテグと傭兵国家マナセルが樹海王国傘下を表明。


樹海帝国は魔王認定した小国群への宣戦布告を宣言した。


その際、小国群の4分の1の小国や部族が、ハンテグやマナセルと同様に樹海王国の傘下を表明。


傘下に入った国や部族には食料支援を行い、蜂や鳥達、獣達も元に戻し、貿易を再開している。


じきに食料の生産も元に戻るだろう。


アキートは小国群の中で、連合軍に参加や支援をしておらず、魔王認定に賛同していない国や部族を対象に交渉した。


面会を拒否、無視した国や部族は交渉しない。


交渉を保留にしたところはそのまま放置。


交渉のテーブルについた中で、樹海王国の傘下を表明したのが、全体の4分の1だったから、連合軍に協力して魔王認定した国や部族は非常に少なかったのだろう。


交渉した国や部族の中で、獣人国の様に戦闘狂に近い者達は、同行したオニバル将軍にコテンパンにやられて、傘下に入った。


この件で小国群の中では、オニバル将軍の武勇が高まり、オニバル将軍にやられた国や部族の戦士は、オニバル軍にこぞって加入した。


狩猟国家ハンテグと傭兵国家マナセルの宣戦布告については、積極的な侵略の意思は無いので、許可はするが制約をもうけた。


侵略後に焼け野原になると、領地として運営出来ないので、出来るだけ一般住民は殺さない事。


領地を管理する人員が多くないので、降参したら受け入れて、為政者いせいしゃ無闇矢鱈むやみやたらに殺さない事。


基本的に出撃してきた敵は倒す。


籠城した場合は国主を暗殺し開城を迫る。


狩猟国家ハンテグには死神デステルと蛇王リザルド、ビー将軍とその軍が加わり、小国群北部を侵略。


傭兵国家マナセルには闇の王デルガと吸血鬼真祖ヴァンス、グレンシー将軍とその軍が加わり、小国群南部を侵略。


そして、別動隊として、オニバル将軍とその軍も小国群へ進軍した。


小国群の中で強国である狩猟国家ハンテグと傭兵国家マナセルの宣戦布告に、次々と無血開城、白旗降参していく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


樹海帝国皇帝の城。

いつものリビングにいつものメンバーがいる。


「商業国家トレセルに行く前に戦争が始まっちゃたなぁ。」


サクラ「そうねー。観光は戦争が終わった後だね。」


「戦争で街並みとか変わらないかな?」


サクラ「大丈夫よ。あの国の戦力はお金で雇った傭兵達。

傭兵国家マナセルが敵になったら、大勢の傭兵は集められないわ。

ましてや商人達は明らかに損しかしない開戦に踏み切るとは思えない。直ぐ降服するよ。」


ウィーラ「トレセルの王が馬鹿な事を考えなければよいのじゃがな。」


ヒナ「馬鹿な事?」


ウィーラ「トレセルは商人気質が高く、何でも交渉で有利に進めようとするのじゃ。」


ヒナ「ふーん。」


ヒナは九尾の狐キュウちゃんをなでなでしながら、俺に話しかけてきた。


ヒナ「今回は出撃しないの?」


「うん。出撃しない。

開戦は俺の意思では無いしね。

かといって売られた喧嘩なので、積極的に止めるのも躊躇ちゅうちょした結果だからね。」


ヒナ「そっかー。」


「え!もしかして戦争に参加したいの?」


ヒナ「いやいや、そんなこと無いわよ。何となくねー。」


ライゾウ「俺は参加したいぞ。」


「だったら、レイの分身体と一緒にオニバル軍に参加していいよ。

小国群にもエルフがいるだろう。

スパと連絡をとって精霊を解放して欲しいかな。」


ライゾウ「望むところだ。」


レイ「そうね、囚われた精霊がいたら解放してくるわ。」


レイは俺の左に座ったまま、別の分身体を出現させる。


ライゾウとレイはの分身体はリビングから出ていった。


オニバルに念話を飛ばす。


(オニバル、そっちにレイとライゾウが向かった。

精霊解放のため同行するから宜しくね。)


オニバル(承知しました。)

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