第324話 迷宮都市ラビリス(その2)

俺達は迷宮都市都市ラビリスに向かうため、暗黒街ミレースの近くに転移した。


転移は一度行ったことがある場所にしか行けない事が不便だ。


転移したメンバーは次の通り。


俺ヒロトと左目に神眼のアイ。


身体に悪魔ベルゼブブになった元スライムのスラオ。


左腰に神刀のムラマサ。


左手に精霊王のレイ。


ここに右手に応龍のハクが居るとフル装備だが、ハクは妊娠中のため樹海帝国でお休みだ。


そして勇者でエルダーリッチのユイ、その使い魔である火の鳥のフェン。


魔女のウィーラ。


その使い魔であるロック鳥のロク。


フェンとロクは小鳥サイズになって、ユイとウィーラの肩の上に止まっている。


キラーアントエンプレスのアンナ。


ダークハイエルフのグレイア。


ブラウニーのブラリリ。


ブラリリは城のメイドだが、料理が上手で大好きなので、他国の料理を経験して欲しいため同行を許している。


ヒナの使い魔である九尾の狐のキュウ。


サクラの使い魔である黒い猫又のミサキ。


人数は多いが、人間形態は俺とユイ、ウィーラ、アンナ、グレイア、ブラリリだけだし、アンナは普段は姿が見えないので、端から見ると5人に見えるだろう。


馬車1台でも充分移動は可能だ。


グレイアが馬車を影から出した。


前回移動で使ってた物だ。


馬はいない。


グレイア「乗ってください。」


ユイ「馬はいないの?」


ウィーラ「馬だと時間がかかるので、ロクに運んで貰うのじゃ。」


ユイ「空を飛ぶのね!でも見つからないかしら。」


「この国の人達に見られるのは不味いよ。」


グレイア「隠蔽の魔法をかけるから大丈夫よ。」


ユイ「そうか、それは良いわね。」


ウィーラ「各自で飛んでいくよりはいいじゃろ。」


「そうだね。馬車に乗ろう。ミサキとキュウはそのままの姿だと怪しまれるので、尻尾は1本にしてね。」


ミサキは猫又なので尻尾が2本。


キュウは九尾の狐なので尻尾が9本ある。


このまま都市に入ったら目立つだろう。


ミサキとキュウは幻影魔法で普通の黒猫と狐に変化した。


ミサキ「失礼しました。これで大丈夫です。」


ユイ「うん。全然わからないよ。大丈夫ね。」


皆馬車に乗り込む。


ロクがウィーラの肩から馬車の外に飛び出る。


そして巨大なロック鳥になった。


ロクが馬車の屋根を両足で掴む。


グレイアとスラオが馬車とロクに隠蔽の魔法をかける。


ロクが馬車を掴んだまま飛び立った。


行き先はグレイアが指示して、迷宮都市ラビリスに向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


迷宮都市ラビリスの近くに着いた。


皆、馬車から降りる。


ロクは小鳥サイズになって、ウィーラの肩の上に止まる。


グレイアは馬車を闇に格納した。


ユイ「あっという間に着いたねー。」


ウィーラ「そうじゃろぅ、ロクならひとっ飛びじゃ。」


「さあ、行くか。」


俺達は迷宮都市ラビリスの門に歩いていく。


商人や旅人達が並んでいる列の最後尾に並んだ。


その列とは別の列は直ぐ都市の中に入っていく列もある。


ユイ「あっちの列はなんだろうねー。」


後ろに並んだ商人らしい人が答えた。


商人「あっちは貴族と冒険者、都市の住民用の入り口ですよ。身分証を見せるだけで通過できるので早く都市に入れるのです。」


ユイ「あ、有難う。そうなんですね。」


商人は自己紹介を始めた。


アキルイ「私はアキルイと言う商人です。商業都市アキリスから来ました。貴方達は何処から来たのですか?」

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