第325話 三つ目族(その1)

迷宮都市ラビリスの入り口で入場のため並んでいると、後ろに並んでいた商人のアキルイに話しかけられた。


「俺はヒロト、旅人です。色々な国を旅してます。」


出身等はあえて言わない。


ユイとウィーラ、グレイアも自己紹介した。


アキルイ「あまり見ない服ですし、猫や狐、小鳥を連れて旅する人達は初めて見ました。外国から来たのですね。何か珍しい物を持ってたら売ってください。」


流石商売人。


列に並びながらも、商売の種を探してるんだな。


幻影魔法でミサキとキュウの尻尾を1本に見せていて良かった。


「いいですけど、ここではなんなので、都市の中に入って落ち着いたところで、改めて見てもらいましょう。」


アキルイ「そうですね。周りの目もありますね。私は小鳥の宿に泊まるのですが、宿は決めていますか?」


「宿は都市に入ってから決めようと思ってました。」


アキルイ「おお、それなら小鳥の宿を紹介します。低料金で料理がとっても美味しいのでお勧めです。」


ブラリリ「それはいいですね。」


「料理が美味しいのは重要です。是非紹介してください。」


アキルイは人間・・・。


おや、神眼でステータスを何気に見たら、三つ目族?


人間と全く変わり無いんだけどな。


そう言えば、額に横線のシワっぽいのが見える。


その他のステータスは人並みだ。


スキルは真贋と念力サイコキネシス


アキルイの額を凝視していた。


アキルイ「おや、三つ目族だと分かりましたか。」


アキルイは周りに聞こえないように囁く様に話す。


「三つ目族ってどんな種族?」


俺もこそっと小声で聞いた。


アキルイの額のシワ?が開いて目が現れた。


周りにいた仲間達は驚いていた。


アキルイ「額の第三の目は認識阻害の魔法がかかっているのですが、貴方のオッドアイの魔眼の方が強い様ですね。」


確かに左目のアイは神眼だからね。


アキルイは第三の目を閉じた。


アキルイ「この話もここでは周りの目があるので、宿に行ってからでも良いでしょうか?」


「分かりました。続きは宿で。」


その内、俺達の前の旅人の順番になっていた。


旅人達は名前と都市に入る目的を言っている。


門番「この宝玉に触りな。」


それぞれ宝玉を触ると白く光り、お金を払って都市の中に入っている。


ん!宝玉?


(ウィーラ、この宝玉って何かな?)


ウィーラ(どこかと魔力の照合をするようじゃな。恐らく、犯罪者のチェックだろうな。犯罪者の魔力は濁るのでそれをチェックしているのだろう。)


(ユイとグレイアは大丈夫かな?)


ウィーラ(分からん。)


(グレイア、ユイ、宝玉のチェックが心配だ。念のためにレイの分身体を右手に着けよう。レイお願いだ。)


レイ(分かった。)


レイの分身体の世界樹の手甲がグレイアとユイの右手に現れた。


(レイ、分身体が宝玉に触れてね。)


俺達の番になった。


「名前はヒロト、旅人です。観光で来ました。」


門番「うむ。この宝玉に触りな。」


俺は左手・・で宝玉にさわる振りをする。


左手のレイが宝玉に触れる。


宝玉は白く輝いた。


門番「おお、神官のような輝きだな。問題なしだ。」


ウィーラ、ブラリリも名前を言って、宝玉に触る白く光る。


グレイアとユイも右手で触る振りをした。


宝玉は白く輝いた。


門番「君達も心が凄く綺麗なんだね。」


グレイアとユイはちょっと気まずい顔。


門番「入都市税はペットの分も払ってくれ。」


「!」


ミサキ達を隠蔽して置けば良かった。


グレイアは俺の顔を見ると。


「ヒロト、ケチケチしないの。」


ミサキ、キュウ、フェン、ロクの使い魔4匹分も合わせて、皆の入都市税を支払った。


皆で都市の中に入るとアキルイが来るのを待つ。


アキルイも問題なく迷宮都市ラビリスに入ってきた。


アキルイ「さあ、始めに宿を取りましょう。」


俺達は小鳥の宿に向かった。

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