第326話 三つ目族(その2)
無事小鳥の宿に宿をとり、宿屋の個室にいる。
アキルイが常宿にしている理由にこの個室がある事も大きいらしい。
商談でよく使わせて貰うそうだ。
個室には、全員入っている。
広目の個室。
大きめのテーブルに椅子は10脚。
食事をとるための個室らしい。
日中は商談に利用する。
昼食が運ばれて、給仕が部屋を出るとアキルイが話始めた。
アキルイ「この出逢いに感謝します。昼食は私がご馳走しますので、どうぞ食べて下さい。」
「有難う。早速いただくよ。」
アキルイ「では、先ずは三つ目族から説明しましょうか。」
アキルイは額の第三の目を開ける。
アキルイは年齢が35才。男。
神眼で見たので間違いない。
身長は168cm。
ちょっと太め。
好感度が高い笑顔。
アキルイ「この第三の目が三つ目族の特徴です。この目以外は人間と変わりはありません。私はこの目により、『真贋』の力があります。真贋は本物と偽物を見極められます。人間も然り。ヒロト様達が本物と見極めたので声をかけました。」
おや、念力のスキルは隠すのだな。
アキルイ「はは、ヒロト様には隠せない様ですね。念力のスキルもあります。物体を自由に動かす事も出来ます。」
懸念が俺の顔に出てたみたい。
気を付けなきゃ。
アキルイ「三つ目族は第三の目の力が人により異なります。私はこの真贋の力を有効に使える商人になりました。
三つ目族の村ははるか東にありますが・・・。人間は特殊な能力のある三つ目族を非常に警戒します。
従って、村の場所が判明すると人間が襲撃してくるので、具体的な場所についてはご容赦ください。」
「特に三つ目族について思うところは無いので、村の場所を教えていただかなくても問題ありません。それよりも本物と見極めた内容が気になります。」
アキルイ「ああ、そのことですか。確かに説明しないと不味いでしょうね。
ステータス等は見ることが出来ません。従って、種族や力も具体的には分かりませんので、ご安心ください。
では、何が分かったかというと、ヒロト様は高貴なお方で、周りの従者の方々は大変強い事が分かりました。
恐らくこの国の誰も敵わない。正に災厄と呼ばれる実力。但し、具体的には何も分かりません。」
アキルイはニコニコ笑っているが、額に汗が流れる。
グレイア達の実力を感じてるんだろうな。
「私達に対して悪意がなければ特に何もしませんよ。但し、私達の事は誰にも言わないで貰いたい。」
アキルイ「承知しました。他言無用と致します。」
「有難う。ところで、この国に無さそうな変わったものが欲しいのですよね。」
アキルイ「はい。」
「グレイア、適当に見繕ってアキルイに渡してくれ。代金はグレイアに任せる。」
グレイア「承知しました。」
グレイアは魔物の素材、魔道具、樹海帝国の食材を幾つか影から出して、アキルイと商談に入った。
グレイアが出した物はアキルイにとって、全て大変興味を引かれる物だったらしく、質問が多く話が盛り上がっている。
見たことが無い強力な素材。
便利すぎる魔道具。
食べた事がない美味しい食材。
アキルイ「こ、これは凄い!売れる!売れますよ。これらの物はもっとあるのでしょうか?」
「ある・・・。いくらでもあるけど、この国で売る気はないですよ。今回限りです。永続的に商売する気は今のところありません。」
アキルイ「そ、そうですか、非常に残念です。まあ、この度は知古を得ただけで満足致します。」
「そう言って貰うとありがたいです。商売する場合はアキルイさんに声をかけますね。」
アキルイ「おお、有難う御座います。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます