第323話 迷宮都市ラビリス(その1)

樹海帝国皇帝の城いつものリビング。


俺はソファーに腰かけてコーヒーを飲む。


右側に応龍のハク、左に精霊王のレイが座る。


「結局、暗黒街ミレースには行かなかったな。」


向かいの椅子に座り、勇者でエルダーリッチのユイが紅茶を飲んでいる。


ユイ「暗黒街ミレースに入ったのは、グレイアだけだったね。」


ユイはガラス製のプレス式ティーサーバーがお気に入りだ。


フレーバーティーのアップルティーを飲んでいる。


グレイア「今からでも行けるわよ。」


グレイアが丁度リビングに入ってきた。


ウィーラ「おや、グレイアお帰り。今から行っても、あまり住民はいないじゃろ。」


魔女のウィーラはダージリンティーを飲んでいる。


ウィーラは陶器製のティーポットがお気に入り。


ティーカップの上にティーストレイナーを乗せて、ティーポットから紅茶を注いでいる。


グレイア「そうね。ハーフエルフ達は私の国に来たし、半魔族は居なくなった。半獣人とダンピーラ達の数は減らしたわ。」


ユイ「今からいっても意味ないわよね。」


グレイア「ごめん、そうね。」


ユイ「いやいや、謝らないで、そんなつもりじゃないから。」


グレイア「ふふふ。」


アンナ「暗黒街ミレースには私の眷属がいるので、いつでも見ることができます」


アンナはキラーアントエンプレス。


忍者っぽいけど、キラーアントを眷属にしている。


「次の町に行こう。グレイア、次はどの様な町が近くにある?」


グレイア「迷宮都市ラビリスね。」


ユイ「迷宮!」


吸血鬼真祖のヒナが会話に割り込んできた。


ヒナ「他人の迷宮はとっても興味深いわ。」


ヒナはダンジョンマスターでもある。


ヒナもガラス製のティーサーバーを使用し、ローズヒップを飲んでいる。


ユイ「迷宮と言ったら異世界の定番だしね。」


ヒナ「ユイは迷宮に行ったことあるの?」


ユイ「あるわよ。勇者として召喚された後、ダンジョンでレベ上げさせられたわ。」


ヒナ「ほほー。その迷宮も行ってみたいなー。」


「出産後、リハビリに良いかもね。」


ハク「それはいい。出産後、子供のレベ上げも兼ねて皆で行きましょう。」


「そうだね。ヒナ以外の迷宮も見たい。」


同じくダンジョンマスターである魔女のサクラ。


黒猫の猫又である使い魔のミサキが、足元に座って目を閉じている。


サクラ「この世界に大した迷宮はないよ。」


俺、ヒナ、ユイ、サクラは異世界転移者。


転移前の地球でゲームや小説により、それなりにダンジョンは知っている。


そしてサクラは千五百年前にこの世界に転移したらしいので、

この世界のダンジョンにも詳しいのだろう。


ヒナ「ねー。どんなダンジョンがあるの?」


サクラ「ほぼ洞窟ね。」


ウィーラ「そうじゃな。ダンジョンといえば洞窟じゃ。」


サクラ「階層も浅い物が多いね。」


ウィーラ「そうじゃ。10階層ぐらいが殆どじゃ。」


ヒナ「ふ~ん。そうなんだー。」


サクラ「階層主ボスもそんなに強いのは居ないね。」


ウィーラ「ほぼ九割はジェネラル種ぐらいの強さじゃな。」


「グレイア、ラビリスの迷宮はどんな感じ?」


グレイア「聞いた話だと洞窟ね。一度もクリアされた事はないみたい。階層は今のところ23層まではクリアされている。階層が深いので、他のダンジョンにはいないモンスターも多く、素材もいっぱい取れるので都市が賑わってるそうよ。」


「楽しそうだ。行くぞ。」


ヒナ「今回は私の使い魔キュウも連れてってー。」


キュウは九尾の狐。


「いいよ。」


サクラ「私の使い魔ミサキもお願い。」


「勿論、こちらからもお願いするよ。」

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