第322話 暗黒街ミレース(その10)

エルサイアの部屋に残ったのは・・・。


樹海帝国ダークエルフ国女王、ダークハイエルフのグレイア。


サクラの使い魔黒猫の猫又ミサキ。


ユイの使い魔火の鳥のフェン。


ハーフエルフの王エルサラ。


幹部の一人ハーフエルフのエルサイア。


幹部のハーフダークエルフのグライガ。


ハーフエルフのエルファ。


ヴァルキリーのスクルド。


同じくヴァルキリーのヒルドとスコグル。


アマゾネスのハーミア。


エルサラ「グレイア様、この度は有り難う御座います。


我々ハーフエルフとダークエルフは、いつも狙われています。


その容姿から弱い者は捕まり無理矢理性奴隷とされます。


仲間を保護して、この地に暮らしていましたが、いつも外敵に怯えておりました。


我々にはエルフのように精霊魔法も出来ず力が弱いため、古代兵器で何とかしてきましたが、限界でした。


グレイア様にお許しいただければ、樹海帝国でお世話になりたいのですが、お許しいただけますでしょうか。」


グレイア「いいでしょう。受け入れます。私の国で一緒に暮らしましょう。」


エルサラ「ああ、有り難う御座います。」


エルサイア、エルファ、グライガも跪き頭を下げる。


エルサラは壁に飾っていた絵画を外す。


裏にあった金庫を開けて、古代兵器の銃を取り出す。


エルサラ「これらは無用となりますので、グレイア様に献上致します。」


グレイア「うむ。遠慮なくいただこう。有り難う。」


グレイアは古代兵器を受け取る。


その中から小銃ライフルを一挺スクルドに渡す。


グレイア「スクルドの目的はこれだろう。進呈しよう。」


スクルド「おお、有り難う御座います。これを手に入れたかったのです。なぜ、お分かりになったのでしょうか?」


グレイア「貴方達の目的は、打倒オダーン公爵と打倒渾沌コントン、大人数ならともかく、その人数で正面から戦う事は困難。狙うは暗殺だろう。小銃ライフルは暗殺に特化した武器。喉から手が出るほど欲しいはず。」


スクルド「その通りです。暗殺は正義からはほど遠い。」


スクルドはハーミアを向く。


スクルド「ハーミア、あなたの考えは嫌いではないが、我々の考えとは異なる。今後一緒に同行は出来ない。ここでお別れだ。」


ハーミア「はい。承知致しました。」


ハーミアも暗殺が目的のヴァルキリー達と、同行するつもりはない。


ヒルド「まあ、無理をせず、正義を貫きたまえ。」


ヒルドは手を差し伸べ、ハーミアと握手する。


スコグル「ハーミアはヴァルキリーより、いにしえの勇者の考えに近いと思うよ。」


スコグルもハーミアと握手した。


スクルド「いつの日か、勇者になれることを祈るよ。」


スクルドもハーミアと握手した。


スクルド「グレイア様、それでは失礼致します。ハーミアも元気でな。」


グレイア「うむ。またな。」


スクルドはグレイアに礼をして、ハーミアに手を振る。


ハーミアも手を振り返す。


ハーミア「有り難う御座いました。またどこかで会いましょう。」


スクルド達はエルサラの部屋を出て行く。


ハーミアもグレイアに向き直る。


ハーミア「グレイア様、私もこれで失礼致します。色々と有り難う御座いました。またどこかでお会いできれば嬉しいです。」


グレイア「私は会いたくないな。面倒な事になりそうだ。」


ハーミアは苦笑い。


グレイア「まあ、無理はするな。じゃあな。」


ハーミアは頭を下げると部屋を出て行く。


グレイア「エルサラ、エルファ、エルサイア、グライガ行くぞ。」


エルサラ、エルファ、エルサイア、グライガは元気良く返事する。「はい。」


残ったメンバーはグレイアの闇に吸い込まれて樹海帝国のダークエルフ国に転移した。


ダークエルフ国の広場。


先に避難したハーフエルフ達と、保護したハーフエルフ達が、エルサラ達を出迎えた。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


樹海帝国皇帝の城、いつものリビング。


妻達とアンナの念話で暗黒街ミレースの出来事を見ていた。


「これで良かったのかね。」


ヒナ「まあ、ハッピーエンドだし、良かったんじゃない。」


「しかし、グレイアは怖いね~。」


ウィーラ「そうでもないじゃろ。」


ミサキとフェンがリビングに戻ってきた。


サクラ「おかえり~。」


ミサキ「ただいまもどりました。」


フェンもユイと触れ合っている。

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