第352話 もつ鍋

樹海帝国皇帝の城、いつものリビング。


迷宮都市ラビリスから一時帰宅中。


俺はいつものソファーに腰掛けコーヒーを飲んでいる。


右のソファーに応龍のハク。


左のソファーに精霊王で世界樹のレイ。


それぞれ寛いでいる。


「ブラリリ、迷宮都市ラビリスには何か良さげな料理か食材はあったの?」


ブラウニーでメイドのブラリリは、俺達とは別行動で迷宮都市ラビリスの街中を特産の料理や食材を探しに探索していた。


ブラリリ「特に変わった料理は有りませんでした。食材は迷宮都市だけあって、殆ど魔物の肉や野草を中心としていたのが心に残りました。でも、樹海帝国の迷宮の方が魔物の種類や植物も多いので、気になった食材は無かったですね。」


「そうかぁ。まあ、そんな事もあるよ。」


ブラリリ「あ、そういえば。」


「ん?何か思い出した?」


ブラリリ「ミノタウロスやフォレストベアの内臓を使った料理がありました。そこそこ美味しかったです。」


「ほほう、モツだな。」


アリア「えええ、魔物の内臓!・・・を、た、食べるの?気持ち悪い。」


アリアは元傭兵で人間から天使に進化した。


この世界で生まれ育ったので、内臓を食べた事がないらしい。


ハク「動物や魔物の内臓は美味しいよ。」


リザ「うんうん。是非食べたいです。」


リザはフォレストリザードから霊亀に進化した。


ハクもリザも元爬虫類系の魔物だったので、獲物を丸呑みしてたから内臓に抵抗が無いんだろうね。


ヒナ「内臓は下処理をすれば美味しく食べられるよ。焼いても煮てもいいし。私も食べたい。」


ヒナは日本からの異世界転移者。


ダンジョンマスターで吸血鬼真祖だ。


サクラ「もつ鍋がいいな。」


サクラも異世界転移者。


同じくダンジョンマスターで魔女。


「俺も食べたい。今夜はもつ鍋だな。」


ヒナ、サクラ、ユイ「「「わーい。」」」


ユイも異世界転移者。


勇者で人間からエルダーリッチに進化した。


転移者の三人はモツが好きらしい。

俺も好きだけどね。


「ところで、全然気付かなかったけど、今まで魔牛の内臓って捨ててたのかね?」


ブラリリ「スライムに消化吸収して貰ってましたね。」


「おう!なんてこったい!」


ヒナ「うはー、もったいないよー。」


サクラ「勿体ないお化けが出ちゃうね。」


「魔牛や魔豚の内臓は食材として使おう。」


ブラリリ「これからそうします。調理ギルドで研究して、市場に出します。」


「是非そうしてくれ。焼いてもいいし、鍋にしてもいい。スープは味噌味や醤油ベースでも美味しいよ。」


ヒナ「コラーゲンたっぷりだからいいよねー。」


ユイ「野菜もいっぱい入れると美味しいよ。」


ブラリリ「野菜ですか?」


サクラ「そうだよ。ニラやキャベツ、モヤシが一般的だね。」


ユイ「ニンニクも入れると更にグッドね。」


ヒナ「キノコと豆腐も入ってるといいなー。」


サクラ「鷹の爪も是非に。」


その夜の夕食は、皆で美味しくもつ鍋をいただきました。


アリアも一発でもつ鍋の大ファンになったみたい。


締めは、おじやにするか、麺にするか意見が分かれたので、両方にしました。両方美味しいよね。


その後、樹海帝国ではモツが流行りました。


あちこちでホルモンのお店やもつ鍋屋さんが開業したらしいです。


あまり店で食べないから分からんのだけどね。


ところで、次はいよいよ前線の町へ行く事になった。


どんな美味しいものがあるか楽しみだ。


ん?


こんな物語だっけ?


すいません。


次はストーリー進めます。

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