第353話 前線都市フロイン(その1)

迷宮都市ラビリスから前線の都市フロインに馬車で向かっている。


何の前線かと言うと、モリー軍とオダーン軍が対峙している戦争の最前線。


南の王国は王家が滅びた後、西のモリー公爵、中央のオーダン侯爵、東のタキーダ辺境伯の三つに分かれて覇権を争っている。


そのモリー公爵とオーダン侯爵の軍が向かい合っている。


フロインはモリー公爵軍が駐留している西では大きめの都市。


メンバーは俺樹海帝国皇帝ヒロト。

精霊王で世界樹の分身体レイ。

ダークハイエルフのグレイア。

魔女のウィーラ。

エルダーリッチの勇者ユイ。

亜神ペナンガルのビー。

キラーアントエンプレスのアンナ。


そして、俺の左目に神眼のアイ。

左腰に神刀のムラマサ。

俺の身体に纏う悪魔ベルゼブブのスラオ。


御者席にハーミアとウィーラ。


俺、レイ、ユイ、グレイア、ビーが馬車の中の席に座る。


アンナは何処かに隠れている・・・はず。


今回は前線と言うこともあり、危険なのでブラリリは連れてきていない。


ユイ「はぁ。景色を見るのも飽きてきたわ。」


俺達は南の王国に入ってから、各都市間は何日も馬車の旅を続けている。


一度行った場所にしか転移出来ない為、やむを得ず馬車の移動なのだ。


グレイアかユイに飛んで貰って、現地着後転移で連れていって貰う手もあるのだが、のんびりするのも良いと思って馬車移動にしたのだ。


しかし、初めは見馴れない他国の景色もそろそろ見飽きてきた。


ウィーラ「まあ、そんな事言うな、のんびり景色を見て馬車に揺られるのもいいものじゃ。」


ウィーラは竜脈を守る為、竜脈の元を離れる事が出来ず、長い間囚われていたのだ。


グレイア「ふむ。ウィーラには申し訳ないが、私もそろそろ退屈になってきたよ。」


ビー「飛んで行けば速いのですが、やっぱり馬車に座っているのは窮屈です。ちょっと偵察に行ってきます。」


ビーはそういうと馬車の窓から飛び出し、蜂の翅を広げ空に浮かんだ。


「俺は寝るよ。」


グレイアの膝枕で寝始めた。


この馬車の振動が眠気を誘うのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


グレイア「ヒロト様、もうすぐフロインに着きますよ。」


グレイアに優しく起こされて目を覚ます。


目を擦りながら上体を起こすと窓の外を見る。


フロインの都市が見えてきた。


城塞都市。


高い石の城壁が都市を囲んでいる。


都市近くの草原にモリー軍が駐留しているのも見える。


簡易テントも多く見える。


「前線の割りには随分のんびりしている様に見えるね。」


グレイア「そうね。警戒している様子も見当たらない。」


ウィーラ「都市にも商人や旅人が自由に出入りしているようじゃ。」


ユイ「最前線とは思えないね。」


グレイア「どちらかと言うと、各領主の軍が集結しているだけに見える。」


「取敢えず都市の中に入ってみるか。」


グレイア「そうね。」


今までの都市は門番がいて入都市税を払って入るパターンが多かったのだが、都市の門には門番もいない。


自由に出入り出来る様だ。


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4/22 17:00

第1話スタートしました。

気が向いたら読んでみて下さい。


タイトルは、

『Sランクパーティーに捨てられたポーターは実は最強の空間魔法使いだった。~虐げられた世界に復讐して『ざまぁ』するんだぁ!~』


URLは

https://kakuyomu.jp/works/1177354054895829006

です。


宜しくお願い致します。

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