第44話 建国

湿原、蛇王の城。


「助太刀有難う御座いました。無事ゴブリンキングを倒す事ができました。御礼の品をお持ちしました。お納めください。」

ゴブリンキングの魔石、ほか拠点で作成した食料、武器、防具を献上した。

蛇王「うむ、有り難く頂戴しよう。

ところで、婿殿は意識してないかも知れないが、この度の戦でコボルト、ゴブリンの集落群とオークの集落の一部を治める事になった。

これは事実である。

我が国としては、婿殿の勢力と同盟を結びたい。

同盟を結ぶにあたり、婿殿は国を作り、王となるのだ。」

「国!国王。」

蛇王「主権、領土、国民があり、他国が承認すれば国として成り立つ。婿殿には既に主権、領土、国民がある。我が国が承認しよう。

ダークエルフの国も同盟に参加したいと言っておる。

三国で相互不可侵の条約を結びたい。」

「承知しました。相互不可侵は私たちにとっても必要な事です。是非ともお願い致します。」


蛇王「ところで、ハク、ホワイトゴーゴンに進化したそうだね。」

ハク「進化したよ。」

蛇王「おおお!それはお目出度い。お祝いをしよう。2、3日城に泊まっていきなさい。」

ハク「いや!戦後処理が色々あって忙しいから帰るわ。」

即答かい!そんなに忙しく無いだろうに。


蛇王「婿殿、ハクがいないと戦後処理は出来ないのかね。」

キラッっと俺を見る。

おいおい、俺に振るなよ。

「え~、それは~。」

何て言えば正解だ?


ハク「お父さん!ヒロトに余計な事聞かないで。私がいなくても戦後処理は出来るわよ。でもね、正妻の私が不在なのは問題があるに決まってるでしょ!国を治めていてそんな事も忘れてる?全く!」

ハクはぷんぷんしてる。

おお!流石ハクさん、120%正解の解答。


蛇王リザルドは残念そうな顔。

蛇王「うむ。そうだったの。しょうがあるまい。また今度余裕が出来たら来なさい。」

ハク「はいはい。帰るわよ。」


(ハク、城に1日くらい泊まってやったらどうだい。)

ハク(嫌よ。キモい。)

蛇王はかわいそうだな。


リガント将軍は俺の眷属になった事を蛇王に報告。

リガント「蛇王様、ただいま戻りました。事前報告の通り、蛇王軍の責務を無事努めゴブリンどもに完全勝利しました。死人0です。こんな事は初めてです。」

蛇王「うむ、良くやった。婿殿のスキルがあったとは言え、お主の働き見事であったと聞いておるぞ。」


リガント「ヒロト様の戦略と戦術そして眷属達の働きが大きかったのです。」

蛇王「それほどまでに凄いか。」


リガント「はい。私も眷属にしていただき、此度の戦で戦う前の倍以上の力を手にいれ、リザードマンキングに進化しました。」

蛇王「なに!むむむ。」


あれ?眷属って了承済みじゃなかったの?

蛇王「一度の戦で倍以上の力と進化とは、羨ましいのぅ。」

そっちかい!


リガント「ははは。息子のリガールもリザードマンキングになりもうした。」

蛇王「何と!うむむ。儂も・・・いや、今は無理か。むむ。」


リガント「つきましては、この後、ヒロト様の領土に戻り。眷属として働く事になりもうした。今まで有難うございました。腹心を連れてヒロト様の領地に帰らせていただきます。」

蛇王「うむ。大儀であった。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

謁見の間を後にし俺とハク、リガントが歩いていると、リガントの長男リガリアが駆けつけた。


リガリア「父上!ヒロト殿の配下になったと聞きましたが、本当ですか!」


リガント「うむ、真じゃ。眷属となったおかげでリザードマンキングに進化し、左目に魔眼を授かった。それからヒロト様は王となる。言葉使いには気をつけるがよい。」


リガリア「リザードマンキング!王!?・・・。」


リガント「お主がヒロト様の眷属を断り、リガールが眷属となったのじゃが、リガールもリザードマンキングに進化したぞ。」


リガリア「えっ!リガールもリザードマンキングになったのですか。」


リガント「人生を決める重大な選択がある。儂とリガールは眷属となることを選択しリザードマンキングとなった。この事は本当によかったかどうかはまだ分からんが、お主も今後、重大な選択をする際はよく考えて選択せい。」


リガリア「今からヒロト様の眷属になりたいと言っても無理でしょうね。」


リガント「無理じゃな。それ以前に蛇王様の前で大見得をきって断ったのに、そんな事をお主は言えるのか?」


リガリア「・・・・」


そんな親子の会話を遠くから見ていた俺。


拠点に帰ろう。


国かあ。国名どうしよっかな?

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