第226話 鯀(その1)

樹海帝国城のいつものリビングに戻って来た。


いつものメンバーにビーが追加。


ビーは女帝の椅子とサイドテーブルを持ち込んで来た。


赤い革張り。背凭せもたれがすごく高い。


背凭れの周りと4本の脚、肘掛けの前面に豪華な金と宝石の装飾。


ふっくらとした柔らかめのクッション。


ハチミツが売れているのだろうな。


お金持ちだ。


三苗サンビョウ戦では、ほぼ出番はなかった。斬っただけ。」


ハク「私も異次元収納しただけ。」


ヒナ「ハクは転移もしたじゃない。私なんか何もしてないよ。」


サクラ「私も~。」


ハク「父さんだけいいとこ見せたのよ。」


コボミ「コボ2もです。悔しい~。」


ヒナがボソッと。


ヒナ「アリアも良いとこ見せたじゃない。」


右手の人差し指でアリアの脇腹をつつく。


アリア「ひゃ~。それほどでも。」


「まあまあ、亡くなったキラービー達には申し訳ないけど、皆が無事だったから良かったよ。」


ビー「お気遣い無用です。彼らは職責を全うしました。皇帝陛下の為に戦って死ぬ事こそ彼らの本望。此度の戦にて生き残ったキラービーはナイトに、ナイトはジェネラルに、ジェネラルはクイーンに進化出来ました。それだけでも有り難い事です。」


「そうかな~。」


「ところでスパ、他の四罪はどんな状況?」


スパ「共工キョウコウは魔族の国に進軍。コンは大自然で竜王と交戦しそう、驩兜カントウは南の小国群に侵入しています。」


「皆活発だね。」


「ハク、竜王といえばリザルド義父さんは因縁があったよね。」


ハク「コテンパンにやられた件ね。」


「リザルド義父さんに状況は伝えた方がいいね。」


ハク「そうだけど、私から伝えるのはヤダなぁ~。」


スパ「私から念話で伝えましょう。」


「有難う。」


「取り合えずもうそろそろお昼だ。食堂に行こう。」


皆「は~い。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日のお昼はラーメン。


うちの食堂チームと俺、ヒナ、サクラ、ユイが共同開発したラーメンは絶品だ。俺達異世界転移者は試食担当だけどね。


各地域でも食堂で修業した料理人がラーメン屋を開店している。


行列ができる店も数多くあるが、食堂並のレベルには達していない。


今日の食堂のメニューがラーメンと聞いて、幹部達が集合していた。


魔豚の骨で作った濃厚な豚骨スープ。

ダンジョン海の素材による魚介スープ。

二つの味が絶妙に混ざるダブルスープ。

そしてこってり味噌味。


コシが強いダンジョン農場の小麦で打った麺。


スープが良く絡む太いストレート麺。


縮れ麺よりストレート麺の方が、実はスープが良く絡むと、何かで見た気がする。


しっかり味がついていて。

とろける魔豚のチャーシュー。


極太で柔らか絶品のメンマ。

味が染みてるのに半熟蕩ける煮玉子。

ダンジョン農場のキャベツと白髪ネギ。


白髪ネギはいれ放題。

替え玉食べ放題。


胡椒と特製辛味噌、キムチ。

全部自家製。好みでかける。


そして、ラーメンには焼き餃子。


ダンジョン農場のニラ、ネギ、

キャベツ、ニンニク。

ダンジョン牧場の魔豚の挽き肉。


肉と野菜の旨さがしっかり。

肉汁たっぷり。羽根つきパリパリ。

表がもっちり、裏がカリカリ。


タレは酢醤油、ラー油。

おかわり自由。


特製豆板醤、最高じゃん。


食堂はいつもより人が多数。

皆ラーメンと餃子に夢中。


ヒナ「うまっ。これ絶対日本のラーメンより美味しいよ。」


ユイ「ね。東京でも行列出来る味よね。」


サクラ「うん。ネギだく最高!」


ユイ「ネギいれ放題って贅沢よね。」


ヒナ「贅沢よ。まあ、頼めば何でも増量出来るけどね。」


「白髪ネギの上から特製ラー油かけると旨さ倍増だぞ。」


サクラ「どれどれ。」


サクラが白髪ネギの上から、特製ラー油をたっぷりかけて食べる。

サクラ「ホントだ。旨!」


ハク「ラーメン美味しいね。」


コボミ「うんうん。」


ハクとコボミフォークで食べてる。


アリア「餃子も最高!」


アリアは餃子が好きらしい。


グレイア「ラーメンも餃子も美味しいわ。」


グレイアは器用にフォークとナイフで餃子食べてる。


よっぽど切れ味がいいナイフなんだろう。


ルシー「スープも美味しいわ。」


ルシーが丼を両手で持ってスープを飲みきった。


ウィーラ「え!もう食べたの?」


ルシー「そうよ。おかわりー。」


ルシーはブラウニーのブラロロに丼を渡す。


リザ「チャーシューおかわり!」


ハピ「リザ、チャーシュー麺だったでしょ?おかわりって何枚め。」


リザ「う~ん。数えてない。20枚は食べてるはず。」


この世界の妻達にも大好評。


彼女らは、フォークで麺をすする。


箸を使うのは、異世界転移者の俺達5人。


俺とヒナ、サクラ、ユイ、タクミね。

それとオニバル将軍、スパ。


オニバル「箸が使えてこそ、剣技を極められるのだ。」


俺をリスペクトしてる剣聖オニバル将軍は箸を練習の末極めた。


俺より上手だよ。正しい持ち方。基本が出来てる。


オニバルは器用にラーメンを食べる。


ライゴー「なるほど。難しいです。」


ライゴーは必死に箸で食べようとするが、箸の間から麺がすり落ちる。


隣で妹のライカ。


ライカ「もう我慢出来ません!」


箸をフォークに持ち替えて啜り始めた。


タクミ「何これ!馬鹿旨。替え玉追加お願いしま~す!」


その隣でタクミがおかわりしてた。


スパ「箸で食べると、更に美味しいのよ。」

スパは箸で器用に麺を啜る。


ビー「木のフォークでも同じでしょう。」

ビーは木のフォークで麺を啜る。


スパ「麺とスープの絡み具合が違うのよ。」


ビー「そうかしら?」


リザルド元帥、リガンド将軍、吸血鬼真祖のヴァンス伯爵、傭兵国王パライドは、ラーメンを早目に平らげ酒盛り中。


つまみは餃子、メンマ、キムチ、チャーシュー、煮玉子。


パライド「しかしこの餃子にビールはベストマッチだな。」


ヴァンス「いやいや、ワインも中々だよ。」


リザルド「飲めれば何でもいいんだよ。がはは。」


こいつら昼間っから何やってんだ。


食後リビングに戻る。


コンの状況を念話で見てみようと言う事になった。


リザルドも赤い顔で参加。

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