第227話 鯀(その2)

コンはヒッポグリフに乗り、グリフォンを連れて竜王の住む山のふもとまで進軍していた。


ヒッポグリフ。

鷲の翼と前半身。馬の後半身。

鋭いくちばしと前足の鉤爪。

騎乗で来る。


グリフォン。

鷲の翼と上半身。ライオンの下半身。

鋭いくちばしと前足の鉤爪。

気性が荒い。


そこに竜人ドラゴニュートが待ち構えていた。


竜人ドラゴニュート

竜の獣人。竜を崇拝している。


姿は人形ひとがたで服を来ているが、竜の鱗が背中にあり、前は人肌。ドラゴンの翼を持つ。


竜人「何者だ!これ以上の侵入は許さん。」


鯀「どけ!お前らには用はない。竜どもに用があるのだ。」


竜人「ここは通さん。竜様達に会いたければ力付くで通るが良い。」


竜人達は槍を構え飛び上がる。


鯀の後ろのグリフォン達も飛び上がり対峙した。


鯀が騎乗したまま、ヒッポグリフも飛び上がる。


鯀が後ろに手のひらを向けた。


鯀「待て!俺がやる。」


鯀から神気が溢れる。

ふところから布袋を取り出す。


布袋から土を掴み出し、土を竜人達にばらく。


土は増殖し、大量の土砂となって、竜人達に降り注いだ。


竜人達は眼を開けることが出来ず。

身体が重くなり落ちていく。


鯀「この土は宝貝パオペエ、名を息壌ソクジョウ。お前らは我にかなうまい。どけ!」


鯀が袋の口を開けて、神気を流すと土が袋に戻っていった。


サクラ「宝貝パオペエ封神演義ほうしんえんぎに出てきた奴だ!」


「神が作った魔道具的な物だね。


ヒナ「土が宝貝(パオペエって、何でもありね。」


サクラ「封神演義に登場する神や化物みたいな仙人、哪吒なた女媧じょか等と戦うなんて御免よ。」


「そんな事は無い!・・・と信じたい。」


鯀とヒッポグリフ、グリフォン達は竜王の山脈に向かう。


すると竜王と複数の古竜エンシェントドラゴン達が現れた。


竜王。

この世界の竜の王様。

竜の中で一番強い者が得る称号。

魔王、精霊王、不死王と並ぶ強大な存在。

今代は白竜ドラシルが竜王に就いていた。


白竜ドラシル。

全身の色が白い神々しい光の古竜エンシェントドラゴン

光のスキルを持つ。

飛ぶスピードは竜の中で最速。

光のブレスは差詰さしづめレーザービーム。


竜王ドラシルと古竜エンシェントドラゴン達がコンとグリフォン達の前に立ちはだかる。


ドラシル「我の領地で好き勝手をしおって。目的は何だ!」


鯀「我の配下になれ!この世界をべるのだ。」


ドラシル「断る!竜は孤高の存在。私利私欲の為には動かん。」


鯀「ならば力付くで配下にするのみ。このグリフォン達と同様にな。」


ドラシル「笑止。」


四罪のこんと竜王ドラシルが対峙する。


ドラシル「古竜達よ、行け!」

ドラシルの周囲にいた古竜達がグリフォンを襲う。


鯀「後悔するなよ。」

鯀は懐の布袋から土を掴み、グリフォン達にばらく。


古竜達がブレスを吐く。


ばら蒔かれた土である宝貝パオペエ息壌(ソクジョウが、増殖し広がり古竜達のブレスを防ぐ。


息壌ソクジョウの中からグリフォン達が古竜達を襲撃。


鋭いくちばし鉤爪かぎつめが古竜達を攻撃する。


古竜達も応戦。

古竜達のブレスは息壌が防ぐ為、肉弾戦となり、混戦になっていく。


通常であれば、古竜達はグリフォンより強いのだが、息壌の働きにより、グリフォンが古竜達を圧倒していた。


鯀「さて、竜王の力量を見せて貰おうか。」


鯀の神気がみなぎる。


布袋から息壌が噴煙ふんえんの様に噴き出す。


ドラシルの光のブレスが鯀に発射される。


息壌がブレスを遮る。


息壌が火砕流かさいりゅうの様に高速広範囲になりドラシルを襲う。


ドラシルは上空に高速で飛んで躱す。


ドラシル「その土は厄介だな。」

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