第116話 VSガラード王国(その9)

ガラード国王は執務室で公爵に向かって叫ぶ。

ガラード「ガラドラ公爵いったいどういう事だ!」


ガラドラ「私にも皆目見当がつきません。

宰相!どうなっている。」


新しい宰相の名前はシルテス。

シルテス「軍の大将誘拐。

兵糧の盗難により出兵の崩壊。

アラント辺境伯の裏切りにより王国内での『塩』不足と食料不足。

そのための飢饉。大量の移民流出。

王国の土台はガタガタです。」


ガラード「そんな事は分かってる。誰の差しがねだ。」

シルテス「樹海王国でしょうね。」


ガラード「何とかしろ!」

シルテス「申し訳ございませんが、手の打ちようがありません。」


ガラード「俺が反対したのに、貴様らが強引に進めたのだぞ。何とかしろ!」

シルテス「・・・。」


ガラード「ガラドラ!何とかしろ!」

ガラドラ「・・・。」


ガラード「宣戦布告を取り消し、樹海国王ヒロトに謝罪して食料と塩の支援をしてもらえ。」


シルテス「無理でしょうな。戦争もしないで宣戦布告を取り消し、しかも宣戦布告した相手に支援依頼ですか?

『分かった許す。塩と食料を支援しよう。』

なんて敵が言いますか?

前回の敗戦の賠償を無視して宣戦布告したんですよ。

人質の王子も殺されて当然。」


ガラード「何!だったらどうする?」

シルテス「対応策検討のため、調べて来ます。」

と言ってシルテスは執務室を出ていく。


そして二度と戻らなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺はオニバル将軍、ライゴーと剣の修業の合間に念話で報告を聞いていた。

オニバルは『アンデットナイトマスター侍』というレア種に進化していた。ルシー秘蔵の鎧も流線型のフォルムに変わっている。スピードアップしたみたいだ。


オニバル「流石ヒロト様、戦わずして大国を、完膚なきまでに叩き潰すとは。」

「いやいや、まだ戦争は終わった訳じゃないよ。最後まで気を抜いちゃいけないよ。」


スパ「新たな展開です。教国がガラード王国に宣戦布告!ガラード王国に攻め込みました。新宰相シルテスの背後は教国でした。」


ほらほら、言わんこっちゃない。

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