第115話 VSガラード王国(その8)

アキート商会が樹海王国の要請で、ガラード王国内で食料、塩の買い占めを始める。

ガラード王国が樹海王国に正式に宣戦布告した。


各領地に出兵要請が飛ぶ。

アラント辺境伯は出兵要請を拒絶。

樹海王国の傘下になった事を表明。

各領地で軍の編成を始める。


この時、既に領地によっては、兵糧を集める事が困難になっていた。

アキート照会の買い占めが効いている。


それらの領地では備蓄用食料で兵糧を賄う。

各領地より王都へ軍の移動開始。


作戦決行だ。


次々と上がってくる報告。

デステルの軟禁部屋は、拐った大将達で満室になりそうな勢いだったので増室。

盗んだ食料もダンジョンの備蓄倉庫に保管。


ガラード王国の王都にも次々と報告が行ってるはず。

頼みの公爵軍でさえ、大将拉致、兵糧盗難にあって領地に戻る始末。


王都には5千の王家軍、それ以上兵が増える事はなかった。


それよりも、国中が食料不足に陥る。

塩もない。食料がすくない。いや王家や貴族までは何とか廻る。

寧ろ危機感から王家、貴族、商人が塩、食料を買い漁る。

塩、食料は高騰し、庶民に廻る量が圧倒的に足りなくなる。


そんな時に、アラント辺境伯領は、まさしく対岸の火事。

ガラード王国の民衆は、アラント辺境伯の領地に塩も食料も豊富にある事を知り、アラント辺境伯領地にガラード王国から大勢の不法移民が押し寄せる。


本来なら密出国すれば重罪。

しかし取り締まるはずの兵達から率先して密出国する始末。

領地の問題を強引に押さえるはずの軍の責任者が不在の為、不法密出国は加速していく。


アラント辺境伯領では不法移民の受け入れをしていた。

塩と食料は大量にある。軍から盗んだ兵糧、ダンジョン産の食料。

アラント辺境伯領のダンジョン化で、受け入れの移民用仮設住宅を次々と建てていき、移民の村を作っていく。

炊き出しや食料の配給。暖かく住める家。

移民を迎えるのは、コボルト、ゴブリン、オーク。

初めは警戒していた移民達も飢えから逃れることは出来ず。

懐柔されていく。

獣人達の難民受け入れで経験したノウハウ。

樹海の各領地の復興支援で経験したノウハウがいかされる。


その内、もとの職業別に移民村で働き出す。

ダンジョンで用意した田畑。

ダンジョンで用意した牧場。

ダンジョンで用意した各種工場。


この時、アラント辺境伯の領地に住む領民は、ガラード王国の国民の数を越えた。

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