第396話 VS夸父(その4)

ゴブリン達は右に逸れて進んだ。


同じくオーガ達。


魔剣で魑魅魍魎の頭を叩き斬り、息の根を止めながら左に逸れる。


ゴブリン、オーガの何倍もの数のキラーアント達が翅蟻、ゴブリン、オーガの後を進み、魔槍を心臓に刺して掃討していく。


その後ろから勇者ハーミア、勇者タクミが走って来た。


タクミ「すっかり倒し尽くされて魑魅魍魎は殲滅されてるな。」


ハーミア「急がないと、敵がいなくなるぞ。」


タクミとハーミアは走る速度をあげる。


更にその後ろから、オニバルは巨大な黒いスレイプニルに乗ってゆっくりと進む。


オニバルの右を青い馬に乗ったライゴーが進み。


左を黒い馬に乗ったライカが進む。


その上空をリザルドが飛んで夸父こほに向かう。


「待ってろよ!夸父こほ!」


ライカ「我々も急がないと!」


ライゴー「魑魅魍魎はゴブ1さんオガ1さん達の獲物だ。俺達は真っ直ぐ夸父こほに向かえば良い。」


オニバル「リザルド元帥の様に飛んで行っても良いぞ。後ろの警戒は俺一人でも充分だ。」


ライカ「警戒?」


オニバル「戦は何があるか分からん。こんな時に挟撃されたら危険だ。警戒は必要だろう。」


ライカ「なるほど。」


オニバル「夸父こほの実力は分からん。ライカ、先行してリザルド元帥の手助けをしてこい。初手ととどめはリザルド元帥に任せろよ。あくまでも手助けだ。」


ライカ「承知しました。」


ライカはドラゴンの翼を広げる。


ライカを乗せた青い馬は飛翔した。


古竜の山脈。


竜脈を占拠した蚩尤しゆう軍の夸父こほ、魑魅魍魎と戦闘中。


竜脈を利用し魑魅魍魎を続々と生み出しているが、樹海帝国の軍に圧倒されている蚩尤しゆう軍。


夸父こほ「むむ。魑魅魍魎達では役不足か? 流石樹海帝国の奴等と言ったところか。」


夸父こほは竜脈に新たに巨大な魔方陣をセットした。


「竜脈の力を借りて、深淵の闇から我が眷属の復活を求む。いでよ! 我が精鋭達。巨大な力を見せよ!」


竜脈から魔方陣に力が流れる。


魔方陣からは次々と巨大な影が現れた。


現れたのは、サイクロプス、ギガンテス、ヘカントケイル。


そして、鎧を着た巨人ゴリアテ。


夸父こほ「我が眷属の巨人達よ、行け!」


巨人達は戦場に出撃した。


魑魅魍魎達の後方より迫る巨人達。


上空より夸父こほに向かってリザルドが飛びかかる。


リザルド「見つけたぞ!夸父こほ!」


リザルド。

元蛇王国国王。バジリスクから進化の果て悪魔ボティスになった。漆黒の鎧を着て、漆黒の大剣を持つ。2本の角。鋭い牙。一対二枚の蝙蝠の翼。


夸父こほはリザルドの2倍以上の身長。


大剣を夸父こほに振り降ろす。


夸父こほは踏み込むと右手でリザルドの大剣を握る両手を掴む。


リザルドは夸父こほの右腕を蹴り離れた。


夸父こほの左の拳がリザルドを襲う。


リザルドはそれを躱し上空に浮かぶ。


リザルドから邪気が涌き出て、闇の気配がリザルドを包む。


リザルド「ふん。大きいからって有利だと思うなよ。」


リザルドの身体が膨れ上がり、夸父こほと同じ身長になった。


リザルド「がはは、これで同じ大きさだ。」


夸父こほ「ふん。どうでも良い事だ。」


リザルドが大剣を薙ぎ払う。


夸父こほは踏み込む。


剣筋の内側に身をいれて、大剣を持つ左手を受ける。


同時に右手でカウンターのフック。


リザルドのこめかみにヒットする。


叩き飛ばされるリザルド。


リザルド「くぅ、中々やるな。」


夸父こほは跳躍し組んだ両手をリザルドに振り降ろす。


リザルドは横に転がり避ける。


夸父こほの両手は地面を陥没させた。


夸父こほはリザルドを向き身構える。


リザルドも素早く身を起こし大剣を中断に構えた。

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