第279話 有翼人(その9)

ウイグザム「例の物をもって参れ。」


侍従達が慌てて大きな葛篭つづらのような箱を持ってきた。


侍従達がその箱の蓋を開ける。


中には、宝石が散りばめれた装飾品が多数入っていた。


ウイグザム「これらは我が国王家のコレクションの中から選んだ最高級の品々でございます。お近づきの印にどうぞお納めください。」


ああ、先にブランデーあげて良かった。


手ぶらできて、こんなの貰ったら恐縮しちゃうところだった。


断ることも出来ないしな。


断ったら王家に恥をかかせる事になる。


その上で恐らく傘下に入るお願いをされるんだ。


なるほど!流石さすがデレイズ。


これを見越しての秘蔵のブランデーか。


まだ飲んでないからウイグザムは気付いて無いが、明らかにブランデーの方が市場価値が高いはず。


しかも世界樹の雫入りだからね。


これで傘下の件も胸を張って断れる。


ウイグザムがブランデーを飲んだところを見てみたいな。


(スパ、ウイグザムがブランデーを飲んだところ見たいんだけど、何とかなる?)


スパ(承知しました。何とかします。小蜘蛛を送って置きます。)


「有難う。確かに受けとりました。」


大きい葛籠つづらをスラオの影に収納した。


ウイグザム「陛下にお願いの儀が御座います。」


ほら来た。


「何でしょう。」


ウイグザム「我が国有翼人国を、樹海帝国傘下の末席に加えていただきますよう、お願い致します。」


「申し訳御座いませんが、現在樹海帝国のちょくで傘下を増やす予定はありません。


但し、アマゾネス国が傘下を増やす事は許可していますので、そちらのご検討をいただきたくお願い致します。」


ウイグザム「そうで御座いますか・・・。」


宰相ウイグドが横から割り込んできた。


ウイグドは顔をあげて立ち上がっていた。


ウイグド「まあまあ、その件は置いておいて、食事の時間ですのでどうぞこちらに。」


ウイグドに案内されて食堂に向かう。


有翼人国王城の食堂。


皆、案内された席に着いた。


レイは俺の左に座る。


国王ウイグザムがブランデーを持ってきた。


ウイグザム「食前にいただいたこのブランデーを少し飲みましょうか。」


ウィーラ「いいねえ。飲みたいのじゃ。」


おいおい、人の話を聞いてたのか。このオヤジ。


「やめた方が良いですよ。勿体ない。一口舐めてみてください。貴重さが分かりますよ。2度と手に入りませんからね。」


『色々言われたけどたかが酒じゃないか。』って顔をしてる。


まあ、これだけ言っても飲むならそれはそれでいいや。楽しもう。


ウイグザム「じゃあ、ちょっとだけ味見してみます。」


ワイングラスにブランデーを入れる。


おいおい、一口舐めてみてって言ってるのに。はぁ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


新作投稿しています。


ぜひぜひ!お読み下さい!!!


タイトルは

『悪逆無道の異世界冒険記』


URLは

https://kakuyomu.jp/works/1177354054893659463

です。


何卒、応援の程、

宜しくお願い申し上げます。

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