第201話 VSヒュドラ(その1)

俺達が魔王ドルダークと対峙している頃、敵を倒しながら教皇庁を一人進むリザルド。


後ろから黒い霧がついてくるが、リザルドは気がつかない。


リザルド「スパ、召喚の間はどこだ!」


スパ(そこのT字路を左よ。)


スパが随時念話でナビゲートしている。


スパ(右の階段を降りて。)


リザルドは召喚の間の扉の前に来た。

重厚な金属の扉。


リザルド「ここか!」


リザルドは扉を蹴破る。


凄い轟音で扉が吹き飛ぶ。


重い金属の扉に、教皇が下敷きとなって倒れた。

その上をリザルドが進む。


召喚の間の魔方陣の中央に漆黒のクログルと謀略のジョローニが立っていた。


クログル「ようこそ、蛇王リザルド。

そして吸血鬼真祖ヴァンス。」


ヴァンス「あれ?ばれた。」


リザルドの後ろに漂っていた黒い霧がヴァンスに変わる。


リザルド「ヴァンス?いつの間に。」


ヴァンス「ははは。」


リザルドは手を横に伸ばし、ヴァンスに前に行かない様にする。


リザルド「儂の戦いの邪魔をするなよ。」


クログル「参りましたよ。

こんな勢力がこの大陸に存在するとは知らなかった。

私とジョローニでは相手として不服でしょう。

取って置きの相手を用意していましたよ。」


リザルド「ほほう。どんな奴だ。」


クログルとジョローニは魔方陣に魔力を流す。


魔方陣が禍々しく紫に光る。


魔方陣の表面に紫の霧が這う。


霧の中から何かが、舞台の床下からせり上がるように、ゆっくり浮かび上がって来た九つの頭の影。


ヴァンス「ヒュドラか!」


クログル「おお、よくご存知で。」


ヴァンス「こいつは毒持ちと不死で面倒な奴なんだよ。

リザルドに任せた。」


リザルド「おお、任された。」


ヒュドラ。

九つの頭を持つ巨大な蛇。

首は長い。

蝙蝠の様な羽。4本の足。

黒と紫の身体。竜の鱗。

鋭い爪と牙。蛇の目 


ヒュドラの牙がヴァンスを襲う。


ヴァンスは霧になり躱す。


リザルドはヒュドラの首を一つ斬り飛ばす。


ヒュドラの首は素早く生えてくる。


ヒュドラは毒のブレスを吐く。

リザルドには通じない。

リザルド「俺の毒の方が強力だぞ。」


ヒュドラの九つの頭がリザルドに迫る。

一つの頭の牙を避けて、右手で牙を掴む。


その隙に違う頭が後ろからリザルドに噛み付く。


リザルドの身体は石のように固い。

いや石より固く、ヒュドラの牙は通らない。


右手で牙を持ち振り回そうとしたが牙が折れた。


リザルド「そしてもろいな。」


ヒュドラが尻尾でリガルドを打つ。

リガルドは両手を拡げ尻尾をキャッチ。


尻尾を両手でかかえる。


そして身体を回転してヒュドラを放り投げた。


ジャイアントスイングだ!


召喚の間の壁にヒュドラは激突する。


しかし何もなかったかのように飛び降りて来た。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る