第150話 VS傭兵国家マナセル(その1)

俺達は傭兵ギルドの副ギルド長を倒した後、妻達とマナセルの出口に向かって歩いていた。


衛兵達「待て待てー!」

衛兵達が数十人追ってきた。


俺は立ち止まり振り向く。

「何だい?」


衛兵「傭兵ギルドの副ギルド長が、襲われたと連絡が入った。

お前達は容疑者の情報そっくりだ。

衛兵詰所まで同行しろ。」


「断る。」


ルシーから念話が飛んできた。

ルシー(今度は手をだしても良いよね?)


(人化の状態で物理攻撃のみ、死なない程度だったらいいよ。

樹海王国と知られたく無い。)


妻達(やったー。)


衛兵達が俺達の周りを取り囲む。

衛兵「諦めて詰所にこい!」

衛兵が俺に詰めよって来た。


アリアが剣の腹で、詰めよって来た衛兵を横に薙ぎ払った。


衛兵はもんどり打って倒れる。


周りにいた衛兵達が武器を抜いてかかってきた。


コボミが衛兵の上段から降り下ろして来る大剣の腹を、左手で横から払い、右足の蹴りを衛兵の腹に入れ、衛兵は吹っ飛ぶ。


ルシーが衛兵の剣を持っている手を左手で掴み、右手でぶん殴る。


リザが衛兵の剣を左手で受け流し、右手で首を掴みぶん投げる。


ヒナがステッキで剣を受け流し、ステッキで衛兵を打ちのめす。


サクラが杖で剣を受け流し、杖で衛兵の喉を突き込む。


ハピが華麗に剣を躱し、衛兵を蹴り飛ばす。


数十人いた衛兵達は、あっという間に全員倒れてうずくまっていた。


俺達は都市の出口へ向かって歩き出す。


すると出口の方向から、数百人の衛兵達が武器を構えて向かって来た。


中央の男が喋り始める。

パライド「俺は傭兵王パライドだ!

傭兵ギルドのギルド長をしている。

お前らは何者だ!」


「答える義務は無い。」


俺達は立ち止まりパライドを見る。

パライドは大男。赤い髪、青い瞳。

頬に大きな刀傷。黒い服。

赤いアダマンタイトの胸当て。

赤い両手の手甲。赤い両足の足甲。

赤いアダマンタイトの大剣。

歴戦の猛者もさを思わせる立ち振舞い。


パライド「副ギルド長のパラダグを襲ったらしいな。」


「俺達が襲われたんだ。

この国は旅人を襲って女を強奪することを推奨しているのか?」


パライド「お前ら中々やるじゃないか。

おとなしく詰所に来い!

そして傭兵になれ。

俺が直々に取り立ててやる。」


「断る。

強盗の手先になる気は無い!」


パライド「お前らこの軍勢を見て断ってるのか?

いいから傭兵になれ。

悪いようにはしない。

今は樹海王国と戦争中だ。

強い仲間が一人でも多く欲しい。」


衛兵に加えて都市にいた傭兵達も集まって来た。


俺は溜め息をつく。

呆れた。

「はぁ。分かった。」


パライド「よしよし、大人しく付いてこい。」


「おい!話は最後まで聞け!

この国はどうしようも無い事が分かったんだよ。

お前はこの国と戦う覚悟が無ければ、軍門に下れと言いたいんだろ。

覚悟は決めたぞ。

この国と戦ってやろうじゃないか。

他人の妻を強奪しようとする国と仲良くする気は無い。

俺達への宣戦布告を受けてやる。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る