第254話 窮奇(その3)

窮奇キュウキ「ふふふ、樹海の精鋭達のようだな。」


窮奇キュウキより禍々しい邪気が溢れ出す。


窮奇キュウキ「ここからは本気で行くぞ。」


一陣の風が吹く。


風が通り抜ける。


リガールは大剣で風を受けたが、吹き飛ばされる。


身体には無数の傷跡のリガント。


リガール「アダマンタイトも切り裂くか。」


更に突風で潰され落下。


アダマンタイトの鎧がへこむ。


リガール「風で潰れるような鎧じゃ無いんだが、四凶の力はこれほどか。」


リガールは地に落ちて片膝をつき、大剣を杖にゆっくり立ち上がる。


続いてデステルにも風が吹く。


デステルも大鎌を盾にするが吹き飛ばされる。


デステルノ骸骨の身体に傷がつく。


デステルは大鎌を振り回し風を斬る。


窮奇キュウキはデステルの上空に出現。


窮奇キュウキ「効かんね。」


背筋が凍る重低音の咆哮。


デステルは吹き飛び、岩に叩きつけられる。


骨のあちらこちらにヒビが入っていた。


デステルは大鎌を片手で持つ。


地面に骸骨の手をつき立ち上がる。


デステル「この身体を傷つけられたのは久しぶりだ。やはりこのままでは、勝てないようだな。」


デステルは構えた大鎌を下に下ろす。


デステルを濁った神気が包む。


骸骨の顔が人間の顔に変わる。


長い黒髪。真紅の目。

鼻筋が通った美男。

黒いローブはそのまま。

手が、足が人間ののものに変わる。

黒い革手袋。黒いブーツ。

何よりも目立つのは、三対六枚の黒い翼。


デステル「久しぶりの進化だよ。何千年ぶりかな。」


ゴブ2「おお!黒い天使。」


デステル「堕天使サリエルだ!」


堕天使サリエルに進化したデステルは大鎌を構える。


リガント「ふむ。どうやらデステルの言う通りだな。このままでは勝てん。リガール、ゴブ2下がってな。3人でやる。」


赤い騎士姿、悪魔ゼパルのリガント。


黒い堕天使サリエルのデステル。


三つ首の黒い犬、悪魔ナベリウスのコボ2。


各々の構えで窮奇キュウキと対峙している。


デステルが大鎌を草薙ぎに振るう。

窮奇キュウキは風になって躱す。

しかし、右足が斬られた。


窮奇キュウキ「何!」


デステル「風になったくらいでは、俺の鎌は躱せんよ。」


突風。


窮奇キュウキは後ろに飛ぶ。


コボ2が窮奇キュウキの後ろに転移した。


3つの牙が窮奇キュウキを襲う。


左腕が喰い千切られる。


窮奇キュウキ「クッ。」


一陣の風。


窮奇キュウキは横に素早く移動。


リガントが神速で踏み込み。


赤い魔剣で袈裟斬り。


避けるきれず右腕が斬られた。


暴風。


デステル、コボ2、リガントは微動だにせず、窮奇キュウキを凝視する。


窮奇キュウキは失った手足を生やした。


窮奇キュウキ「チッ、覚えてろ。」


デステル「逃がさんぞ。」

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