第334話 千尋の洞窟(その8)
ユイ「解体しなくて良いから、魔法で消滅した方が作業が減っていいね。」
ウィーラ「ゴブリンだからいいが、毛皮や爪、牙等が素材になる魔物は慎重に倒した方がいいじゃろ。」
グレイア「そうだね。そんな魔物は私が素材を傷付けないように倒そう。」
「素材を売りに一旦帰ろう。」
俺達は宿屋『小鳥の宿』に帰って来た。
宿屋のフロントで商人のアキルイがいるか確認すると、先程戻ってきたばかりで部屋にいるらしいので、呼んで貰った。
俺達は1階の食堂のテーブルでお茶を飲みながら待っていると、アキルイが2階から降りてきた。
アキルイ「お帰りなさい。早かったですね。」
「取敢えず様子見さ。それより、素材を売りたいんだけど。」
アキルイ「おお、有難うございます。」
「ここには置ききれないので、倉庫はあるか?」
アキルイはちょっと考える。
アキルイ「契約している倉庫はありますが、そんなに多いのですか?持ち物は無さそうですが・・・。」
「多いよ。倉庫に案内してくれ。」
アキルイ「承知しました。」
アキルイに案内されて契約している倉庫に向かった。
家一軒位の大きめの倉庫だった。
倉庫に入る。
「グレイア、出してくれ。」
グレイア「承知しました。」
グレイアが闇を展開し素材を出す。
アキルイ「えええええええ。」
アキルイはビックリしていた。
それもそうだろう。
地下1階から5階までの魔物を根刮ぎ倒した結果の素材。
魔石、爪、牙・・・・。
アキルイ「どれだけ倒したんですか!」
「ちょっとやり過ぎたのは分かってる。地下1階から5階まで根刮ぎ倒して来た。」
アキルイ「えええええええ。」
「素材の鑑定も必要だろう。代金は後日貰おう。」
アキルイ「はあぁ。分かりました。」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
一方冒険者ギルドでは、大問題になっていた。
地下1階から5階まで魔物が全く居なくなったのだ。
魔物がいないくなったので、クエストの達成が出来無くなった冒険者達が、冒険者ギルドの受付に報告している。
冒険者ギルドでも契約している商人に素材を売ることが出来なくなって大変困った。
異常事態。
事態を重く見た冒険者ギルドが、原因を調査するクエストを発注したのは必然。
至急Aランクのパーティの『静かなる雷斧』と、Aランクのクラン『紅蓮の刃』が冒険者ギルドのギルド長に呼ばれた。
『静かなる雷斧』のリーダーであるドワーフのドワライと、『紅蓮の刃』のリーダーで人間の戦士エンライ、ギルド長のギランガが3人でギルドの会議室で会議をする。
ギランガ「千尋の洞窟の地下5階まで全く魔物が居なくなったのは知っているか?」
エンライ「知っている。うちのクランのメンバー3人も行方不明になっている。何かあるぞ。うちのクランは総力を上げてこの問題に対応する。」
ドワライ「初めて聞いたよ。そんな浅い階層で活動していないからなぁ。」
ギランガ「クエストが消化出来ず、冒険者と商人からクレームが頻発している。早期解決が必要なのだ。『静かなる雷斧』にも調査を依頼する。これはギルドからの強制依頼だ。」
ドワライ「しょうがないな。分かったよ。」
ギランガ「Bランク以上のパーティは全員強制参加して貰うことにする。ギルドも総力を上げて取り組む。」
その後、ギルド前にBランク以上のパーティが集められて、クエストの説明を実施。
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