第271話 有翼人(その1)

さて、饕餮トウテツには逃げられたが、被害は特になかったので良しとしよう。


「アンナ、饕餮トウテツが南下してるとしたら、次は砂漠だな。」


アンナ「なるほど、承知しました。警戒を強めます。砂漠の西部海沿いが怪しいですね。」


「そのまま南だと海沿いだね。」


アンナ「はい。」


「今日はもうおそい、寝よう。」


皆「はい。」


俺の左手に絡んでるレイは結局寝たままで起きなかった。


俺は布団に入る。


ん?ユイが来ないな。


ユイはフェンを召喚で呼び戻していた。


「おう、フェンご苦労様。」


フェン「対応がおそくすいませんでした。」


「夜おそかったから仕方ないよ。」


ユイはフェンを送還し布団に入って来た。


そして、その日は寝る。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


次の日、ヴァンスの城で朝御飯を食べて南の王国へ出発。


メンバーは、俺。

精霊王で世界樹の分身体レイ、

ダークハイエルフのグレイア、

魔女のウィーラ、

エルダーリッチの勇者ユイ、

亜神ペナンガルのビー、

キラーアントエンプレスのアンナ、

アマゾネスのハーミア、

ブラウニーのブラリリの9人。

+俺の左目に神眼のアイ、

悪魔ベルゼブブのスラオ、

神刀のムラマサ。


御者席にハーミアとウィーラ、ブラリリ。


俺、レイ、ユイ、グレイア、ビーが馬車の中の席に座る。


「あれ?アンナはどこ行った。」


キラーアントエンプレスのアンナがシュタッと片膝を付いて現れた。


アンナは人化でサイバー忍者形態。


触角が2本。ピョンと立っている。

ベリーショートカットの黒髪。

切れ長の目。黒い瞳。長い睫毛まつげ

鼻筋が通り、黒い唇。小顔。

黒い手は2本、黒く長い足も2本。

スリムだが、筋肉がありそう。

フィットした黒い全身スーツのような外骨格。

スリムな身体。

キラーアントエンプレスのはねは見えない。


アンナ「私は忍者なので密かに付いていきます。お気になさらずに。」


「そ、そうか。分かった。」


忍者ってスパみたいな事言ってるな。


御者席のハーミアに声をかける。


「ハーミア、アマゾネス国から南の王国にはすぐ入れるの?」


ハーミア「隣の国にアマゾネス国の間者がいますので、情報を入手後南の王国に入ります。」


「分かった。」


ハーミア「アマゾネス国の隣国は有翼人の国です。」


「有翼人?どんな種族?」



ハーミア「人間とほぼ変わりませんが、背中に鳥の翼を持つ種族です。」


ユイ「背中に鳥の翼があると言うことは上半身裸?」


ユイは興味津々だ。


ハーミア「上半身も服や鎧を着てますよ。但し、翼があるので着ている服や鎧は背中が大きく開いています。」


「なるほど、髪の色や目の色は皆同じかな?」


ハーミア「髪の色、目の色は人によって異なりますが、翼の色は茶褐色が多いです。その他に翼が黒や白の者もいます。そうそう、翼の付け根に羽毛が生えていますよ。」


ユイ「はは~ん。それで背中が開いてても寒くないんだわ。翼があると言うことは飛べるんでしょ。」


ハーミア「飛べます。」


ユイ「デブだと飛べないよね。」


ハーミア「ははは。確かに。ほぼ全ての者は痩せていますね。」


「太っていると空を飛べないか飛ぶのが遅くなるんだろうね。」


ハーミア「そうかも知れません。そのせいか、服や鎧も重い物を着ている者はいないですね。一般の者は布の服。門番や戦士は革の鎧を装備しています。」


ユイ「飛ぶ速度は速いのかしら?」


ハーミア「鳥と同じくらいでしたよ。」

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