第270話 饕餮(その5)

マシラン「饕餮トウテツ覚悟しな。」


マシランは将軍は大柄な男、人間。


黒い軍服、目深に被った軍帽。

右目にはモノクル。

軍服の袖先に見える機械化した右手。

その右手に古代兵器の武器を持つ。


朱雀「焼き尽くしてやる。」


朱雀は炎の鳥。

鶏の頭に燕の嘴。

首は蛇で尾は孔雀。

体色は赤。

全身炎に包まれている。


朱雀は饕餮トウテツに飛び込んだ。


饕餮トウテツは白い羊毛を伸ばし阻止する。


白い羊毛は焦げるが燃えない。


マシランの右手の古代兵器が火を吹く。


先が尖った銃弾が饕餮トウテツに放たれた。


銃弾の衝撃を羊毛は吸収する。


饕餮トウテツ「人間ごときの攻撃は効かんぞ。」


マシラン「只の人間と思うなよ。樹海帝国の傘下に入り、深淵の魔女によってパワーアップした攻撃を受けてみろ。」


マシランは右手の兵器を左手に持ちかえると、右手の手首から先が上に上がった。


右手の手首には穴が空いていた。


右手の手首の穴が光り出す。


右手の手首から光が束になって放出される。


サクラの箒から発射するレーザー砲と同じ。


饕餮トウテツの身体に太いレーザービームが突き刺さり、右肩が溶けて崩れた。


饕餮トウテツ「ほう、人間にしてはやるな。」


しかし饕餮トウテツの肩は元に戻っていく。


饕餮トウテツ「今度はこっちの番だ。」


饕餮トウテツの白い羊毛が拡散した。


朱雀とマシランは絡め取られる。

そして勢いよく地面に叩きつけられた。


饕餮トウテツ「さあ、喰っちまうか。」


羊毛に絡まれた朱雀とマシランを口に運ぼうとする。


黒い影が饕餮トウテツに飛び込む。


白い羊毛を爪で切り払った。


深淵の魔女のサクラの使い魔、黒い猫又のミサキが現れた。


ミサキ「危なかったね。」


朱雀は温度を上げて白い羊毛を焦がし振り払った。


朱雀「ミサキ、有難う。」


ヒナの使い魔、九尾の狐キュウも登場。


前足の爪でマシランに絡んでいた白い羊毛を切った。


マシラン「キュウ、有難う。」


饕餮トウテツの後ろに雷神トールのライゾウが登場。


ライゾウは雷槌ミョルニルを振り上げ、饕餮トウテツに振り下ろす。


饕餮トウテツは一瞬後ろを見て驚愕。


空中で一回転すると白い羊毛の球となる。


ミョルニルは饕餮トウテツに叩きつけられるが、白い羊毛の球は弾んで飛んでいき、そのまま消えた。


ライゾウ「逃げられたか。」


そこに火の鳥のフェンが登場。


フェン「遅くなって済まない。」


ライゾウ「逃げられちゃったよ。」


フェン「しょうがないさ。」


フェンは回復の炎でマシランと朱雀を包む。


マシランと朱雀の傷が回復した。


俺は皆に念話を飛ばした。


(皆、ご苦労様、帰っていいよ。念話で状況確認していたので報告は不要だ。ゆっくり眠ってね。)

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