第60話 ダークエルフ女王グレイアの帰還

ダークエルフの女王グレイアとグレンシー将軍が挨拶に来た。

俺達は謁見の間で出迎える。

グレイア「この度の戦勝おめでとうございます。」

「協力有難うございました。」


グレイア「今回のいくさで樹海のエルフはほぼ壊滅。

少ない生き残りは妖精の国に避難していますが、ダークエルフとエルフの確執に一段落しましたので感慨無量でございます。

また、一生御目にかかることは無いであろうと諦めていた世界樹様に、拝顔が叶い喜びも一入ひとしおでございます。

本当に有難うございました。」

「エルフとダークエルフは何が理由で揉めてたの?

やっぱりエルフが一方的にダークエルフをさげすみ、迫害してたの?」


グレイア「概要はその通りでございます。

エルフの中で他の種族と交わり生まれたハーフエルフや闇に落ちたダークエルフが討伐されていました。

元々は少数派として逃げ隠れしていたダークエルフやハーフエルフですが、先代の国王が蛇王様と知古を得る事が出来て、蛇王国の協力を貰って国を起こす事が出来ました。」

「その時から蛇王国と仲が良いんだね。」


グレイア「はい。そしてエルフ達の猛攻を凌ぎ、逃げ隠れしていた仲間達も集まって来るようになり、世代が進み人口も増え、エルフと拮抗出来る勢力となりました。

ダークエルフはエルフと異なり赤ちゃんが産まれやすい種族ですので、ヒロト様のお側に置いていただき、お世継ぎの貢献も出来ます。」

グレイアがすり寄って来た。

近いって。

胸の開いたドレス。

上から胸が見えるよ。

もしや!わざとか。

誘惑してるのか?

「まあまあ落ち着いて。」

両手で優しく両肩を押す。


グレイア「コホン。失礼しました。」

グレイアは襟を正す。


グレイア「ヒロト様の眷属にしていただいておりますが、女王として今回はこれにて国に帰りたいと存じます。

ご用の際は念話にてお命じいただきたいと考えておりますが、宜しいでしょうか?」

「勿論です。女王が国に戻らないと言うことは出来ないでしょう。

どうぞお戻り下さい。

今回のいくさの共闘におけるお礼の品は後日お持ち致します。」


グレイア「いえいえ、今回の戦は、我がダークエルフにとっても脅威である敵との戦い。

そして私はヒロト様の眷属。

お礼の品は必要ありません。

ただ、どうしてもと仰られるのであれば、戦いの中で我々が取得した魔石を、このまま持って帰るお許しをいただきたく存じます。」

「魔石はそのまま持って帰っていただいて問題はないのですが、本当にそれだけでいいのですか?」


流石さすが女王。何も貰わないと角がたつので、魔石を貰ったていにして俺の顔をたててくれてるんだろうね。


グレイア「魔石だけいただければ満足でございます。それから、私はヒロト様の眷属故、敬語は不要でございます。」

「そ、そうか。眷属だからね。」


グレイア「はい。」

グレイアは満面の笑顔。


グレンシーがそこに割り込んできた。

グレンシー「話の途中で申し訳ありませんが、この度の報酬として、私も眷属にしていただきたくお願い申し上げます。」

「眷属?急にどうしました。」


グレンシー「今回の戦にて、ヒロト様の眷属になった者の活躍を沢山たくさん目にしました。

特にグレイア女王の活躍は羨ましい限りでした。

我がダークエルフ国に報酬をいただけるのであれば是非。

私を眷属にしていただくことで、ダークエルフの軍事力も向上出来ます。

いてはグレイア女王の主であるヒロト様の戦力も向上します。」

「そこまで言うのなら、否はないです。望んでいるようですし。

本人が望んでないと眷属に出来ませんから。」


グレンシー「是非、お願いします。」

「分かりました。」


将軍って言うくらいだから強いし、軍を率いる能力もあるのだろう。

本人の希望だし、眷属に出来るならした方が良いに決まってる。


グレンシー将軍を注視して叫ぶ。

「テイム!」

グレンシー将軍を眷属にしましたよ。


グレンシー「おおお!有難うございます。この溢れるような力強さ!

グレイア様が活躍出来たのが良く分かりました。

ヒロト様の眷属として御使い申し上げます。

ご用命の際は念話でお呼びください。

それから私にも敬語は不要でございます。」

「うん。分かった。宜しく頼むよ。」


グレイア「有難うございました。

私達は国に戻りますが、ご用の際はいつでもお呼びください。

いつでもお側に居られるよう国に戻り準備致します。」

グレイアの笑顔の瞳がキラリと光る。


って違う意味なんじゃないの?

と言うことがあって、グレイアとグレンシーは国に戻りました。

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