第328話 千尋の洞窟(その2)

アキルイ「その通りです。皆様流石です。領主と冒険者ギルドについて具体的な話は私からは出来ませんが、素材を売って貰っても問題が無い事は理解していただけるでしょうか。」


「いいでしょう。ダンジョンに入るのは、基本的・・・には冒険者だけと言っていましたが、例外があるのでしょう。」


「はい。話が早いですね。説明不要で助かります。冒険者以外でダンジョンに入れるのは、運び屋ポーターと領主の了承を得た者だけです。


ヒロト様には、領主の許可証を発行致します。」


「許可証かぁ。ダンジョンに入る際、チェックするのは領主の配下だけですか?それとも冒険者ギルドからも人が出てますか?」


アキルイ「緊急時に最速で救助出来るように、領主と冒険者ギルドの両方でチェックしています。」


「だったら許可証は不要です。」


アキルイ「え?」


「冒険者ギルドには我々の存在を知られ無い方が良いでしょう。」


アキルイ「冒険者ギルドに知られ無い方が良いとは思いますが、どうやってダンジョンに入るのはですか?」


「それは秘密です。ああ、そうそう。我々の事は領主にも他言無用ですよ!」


アキルイ「え、領主にもダメですか?」


「先程、他言無用の約束をしたばかりなのに、もう破るつもりですか?

信頼出来なくなるなぁ。」


アキルイ「はあぁ、分かりました。領主には冒険者を使っていることにします。取敢えず現在クリアしている階のダンジョンの地図を用意しますね。」


「ああ、地図も不要です。楽しめなくなるのと、隠し部屋を見逃す可能性もあるし、油断に繋がりそうだ。」


もしかしたらダンジョンマスターと敵対することになるかも知れない。


その場合、探索中にダンジョン構造変化されたら危険だしね。


アキルイ「領主の騎士団も地図を見ても15階までしか行けないのですよ。」


「大丈夫ですよ。問題ありません。」


アキルイ「そうですかぁ。じゃあ、情報だけでも、現在『千尋せんじんの洞窟』は23階まで到達しています。


到達したのは『紅蓮の刃』というクランです。『紅蓮の刃』はA級冒険者のエンライをリーダーで、

総勢25人います。


エンライは赤髪で赤い革鎧を装備しているので、直ぐ分かると思います。


メンバーは全員右腕に赤い布を右腕に巻いています。暴力的なクランなので気をつけてください。」


「分かった。有難う。」


三つ目族の商人アキルイとの話は終わり、宿の個室から出て宿の部屋に戻った。


キラーアントエンプレスのアンナを呼ぶ。


「アンナ。」


アンナはサイバー忍者の格好で目の前に跪き出現した。


シュタッ!


アンナ「はい。ここにおります。」


「この都市を眷属で探れ。特に領主と冒険者ギルド、アキルイからは目を離すな。」


アンナ「御意。」


アンナは跪いたまま姿を消す。


そして皆を振り替える。

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