第87話 アンデットの生態

アラント辺境伯との会談が終わった後、

デレイズとアキートにガラード王国と

戦後賠償請求の取り決めを依頼。

内容は二人にお任せ。

生かさず殺さずの形で進める方針らしい。


その後、リビングに戻った。


教えてルシー先生。

「ルシー、つかぬことを聞くよ。」

ルシー「どうしたの?急に。」


「アンデットってさ。睡眠は要らないの?」

ルシー「寝ないよ。」


「おお!やっぱり!飲食もしないよね。」

ルシー「基本飲食は要らないね。」


「基本って?」

ルシー「私は一緒に食べてるし、寝てるよね。」

「あれ?そだね。」

ルシー「飲食も睡眠も取ることも出来る。必要不可欠ではないってこと。」


「なるほどー。栄養ってどっから取ってんだ。」

ルシー「栄養?」

「活動するためのエネルギー。」

ルシー「ああ、魔力ね。自然にある魔力を吸収してるんだよ。」


「魔力がないと動けなくなる?」

ルシー「基本動けなくなるよ。」

「基本って?」

ルシー「通常は日中魔力を吸収して夜活動するけど、ダンジョン内はいつでも出てくるでしょ。」

「うんうん、そだね。どうなってんだ。」

ルシー「ダンジョンでは魔力の吸収が速いのよ、活動しながら吸収してる。」


「おお!それって24時間寝ないで、食事もしないでも活動出来るってことだ。」

ルシー「そだよ。」


「おおお!それは良いことを聞いた。」

ルシー「何の話?」


「普通人間や魔物は24時間連続で働けない。休憩、睡眠、食事、排泄等が必要。だけど、ダンジョン内のアンデットは24時間働けるんだ。」

ルシー「そだね。」


「凄い事だよ。同じものをダンジョン内で、人間とアンデットが作る場合、人間が活動出来る時間が8時間とすれば3倍作れるよね。」

ルシー「そうなるね。」


「アンデットって休みの日とか何やってんの?」

ルシー「活動休止。」


「休まなくても大丈夫なんだよね?」

ルシー「大丈夫だよ。やることないから活動休止してるだけ。」


これは決定だ。

ダンジョン内でアンデットに生産活動に従事してもらおう。

食費も部屋も給料も必要ない、人件費0で生産が出来る。


この事をサクラ、ヒナ、ルシー、デルガ、デステル、ヴァンスに話した。サクラ、ヒナは目から鱗らしい。

アンデット4人は淡々と聞いていた。

それがどうかしたの?って感じ。


ヒナ「ブラックで酷そうだけど。必要ないって言われれば、必要ないねー。食べなくても、寝なくても平気かも。」

「ヒナもアンデットと言えばアンデットでしょ?」

ヒナ「む。食べたいし寝たいよ。休みたいしー。」

プンプンしてる。

「分かった、分かった。」


サクラ「可哀想な気がするけど、本人達に問題がなければいいんじゃない。」

「本人の意向を聞いて特に食事や睡眠、休憩が必要なければ24時間働いて貰おう。」


ルシー「下位のアンデットは味覚もないから食事はいらないよ。単純作業なら24時間働きずくめでも問題ないわ。上位のアンデットも働いていたい者はいっぱいいるわよ。」

デルガ「うむ。職人気質のアンデットは物作りが飲食や睡眠より好きだからなぁ。放っておくと何十年も作り続けてます。」

「ふむふむ。それは重畳ちょうじょう。」


今後、樹海の王国の生産品は値段を極端に下げられる。

または値段そのままで利益が大きくなる。

だって人件費0だよ。


商人ギルドのショー、鍜治ギルドのドワスト、錬金術ギルドのグラビスにも話して、物作りに従事する者を追加、補充する場合は、デルガ、デステル、ヴァンスに相談しアンデットを入れる事にした。


そんな話を夕食時に行う。


ルシー、デルガ、デステル、ヴァンスの4人は楽しく食事をしてるし、酒も飲んでた。何か間違ってなければいいなと思う。


寝よう。明日は獣人国王ライガンと会うのだ。

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