第420話 VS蚩尤(その7)

俺は雨師とアンナの戦いに目を向けた。


雨師VS悪魔パイモンのアンナ。


雨師「ふふふ、どのくらい戦えるか見てやろう。」


アンナ「試してみようか?」


アンナは翅蟻を召喚した。


数千匹の翅蟻の大群が雨師を襲う。


雨師は右手を翅蟻に向けると、右手から強力な水流が翅蟻を押し流す。


アンナは雨師の右側に転移し、魔槍を突き刺す。


雨師は水と成り魔槍を伝いアンナに迫る。


アンナは魔槍から手を離し飛び退く。


雨師は神気が混ざった水撃を放ちアンナは躱す。


雨師は更に水撃を何発も放ち続ける。

間段無く水撃がアンナを襲う。


アンナは躱しきれず、右手に水撃を受ける。


固い外皮の右手が切れる。


雨師「水はね、圧力を加えて、細く薄くして神気を混ぜ、高速で放つと何でも切れるんだよ。私の水撃はウォーターカッターと言われてるのさ。」


アンナ「クッ。」


アンナは顔をしかめる。


雨師は水撃を更に放つ。


アンナは翅を広げて空中に逃げて距離を取る。


アンナ「流石、亜神ですね。」


俺はアンナの元に飛び込んだ。

アンナの前に浮かぶ。


アンナ「陛下、ここは私に任せて他の仲間を助けて下さい。」


「・・・分かった。無理はするなよ。」


アンナ「大丈夫です。」


アンナは俺の身体を左手で触れながら、邪気を纏い俺の前に出た。


アンナは邪気で左手を回復し、宙に浮かび雨師を見詰める。


雨師の水流ウォーターカッターがアンナを斬る。


アンナは黒い霧に変わり水流が身体を通り過ぎる。


水流が通り過ぎると霧はアンナの身体に戻る。


アンナ「固体じゃないと斬れ無いでしょう。」


アンナは淫靡な微笑みを浮かべ。


なまめかしい舌が生き物の様に唇を舐める。


卑猥ひわいな指先から、闇の糸が伸びて触手の様にうごめく。


雨師「ほう、雰囲気が変わったな。」


アンナも大丈夫そうだな。


「アンナ、焦らず時間を掛けていいぞ。」


俺達は風伯と雨師の待ち伏せにあった。


雨師は竜生九子りゅうせいきゅうしを召喚し俺たちを襲う。


11人の仲間がそれぞれ敵と戦っている。


風伯VSライゾウ、雨師VSアンナはお互いに決定力に欠けるようなので、放って置いても大丈夫そうだ。


竜生九子りゅうせいきゅうしと仲間達はどうだろう?


ヴァルキリーの4人は竜生九子りゅうせいきゅうし達に劣勢を強いられていた。


ヴァルキリー達は南の王国出身。


必死に食らいつき、劣勢挽回の手段を探っている。


しかし実力差は如何いかんともしがたく追い込まれていく。


元有翼人スクルドの魔槍は、蒲牢ほろうの強固な鱗に突き刺そうとするが、傷ひとつ付けられず。


蒲牢ほろう咆哮ほうこうがスクルドを硬直させる。


その隙に蒲牢ほろうが体当たりでスクルドを突き飛ばす。

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