第419話 VS蚩尤(その6)

一つの魔方陣は水が増えていく。


平らな頭。1対の角。竜の鱗。四本の足と尾。


両生類の形をした龍が現れた。


蚣蝮はかが這う。


雨師「蚣蝮はかよ、押し流せ。」



一つの魔方陣からは虎の形の龍が現れた。


狴犴へいかんがしなやかに飛び出た。


雨師「狴犴へいかんよ、食い殺せ。」



一つの魔方陣からは亀の形の龍が現れた。


贔屓ひきがゆっくりと歩み出る。


雨師「贔屓ひきよ、踏み潰せ。」



一つの魔方陣から現れた龍。


魚のような体。虎のような頭。空に向かって反り返る尾。しゃちほこの形の龍。


螭吻ちふんが跳ねた。


雨師「螭吻ちふんよ、皆を守れ」



雨師「竜生九子は竜に成れなかった竜の子供だが、それぞれ竜に無い技能をもつ。そしてレベルを上げて、今や竜を越えたのだよ。さあ、その実力を見せるが良い!」


ユイ「先ずは鳥対鳥ね。フェン、嘲風ちょうふうを頼んだ。」


フェン「承知した。」


火の鳥フェンは炎を纏い飛び出す。


迎えるは嘲風ちょうふう


嘲風ちょうふうは退いて、フェンを凝視する。


フェンは嘲風ちょうふうを追う。


フェンが嘲風ちょうふうに体当たりしようと飛び込むが、嘲風ちょうふうには当たらない。


速攻もフェイントもその動きを読んでいるかのように躱す。


フェンの飛行速度が徐々に上がり高速の飛行戦が繰り広げられた。



勇者ハーミアは始めに現れた囚牛しゅうぎゅうに飛びかかっていた。


聖剣の大剣を上段から降り下ろす。


囚牛しゅうぎゅうは牛の角で聖剣を振り払う。



勇者タクミは睚眦がいさいに飛び掛かり、聖剣を薙ぎ払う。


睚眦がいさいは躱し、爪をタクミに突き立てる。


タクミは聖剣の腹で防ぎ反撃。


激しい打ち合いが続く。


ヴァルキリーのスクルドは槍を構え、蒲牢ほろうに突き進む。


ヒルドは狻猊さんげいに雷撃を飛ばす。


スコグルは水撃を蚣蝮はかに飛ばすが蚣蝮はかに水魔法は通じず。


フリストは狴犴へいかんに爪を振り払う。


ユイが贔屓ひきに聖魔法を放つ。


グレイアが螭吻ちふんに闇の触手を伸ばす。


ライゾウ「じゃあ俺は風伯に行くぞ。」


雷神トールのライゾウは雷槌ミョルニルを手に風伯に迫る。


アンナ「私は雨師ですね。」


悪魔パイモンのアンナも槍を持ち雨師に向かった。


「俺は見てれば良いのかな?」


俺は神眼アイのスキル鳥瞰ちょうかんを使って全体を俯瞰する。


南の王国の蚩尤しゆうのいる場所に行く途中、風伯と雨師の待ち伏せにあった。


雨師は竜生九子りゅうせいきゅうしを召喚し俺たちを襲う。


11人の仲間がそれぞれ敵と戦う。


風伯VS雷神トールのライゾウ。


ライゾウは宝貝パオペエ息壌そくじょうを使う。


布袋から噴き出す砂の息壌そくじょう


砂は先の尖った土の槍と成り風伯に迫る。


風伯は強風を巻き起こし息壌を吹き払った。


風伯は強風をまとう。


息壌そくじょうは強風を越えられない。


風伯「四罪のコンが持っていた宝貝パオペエ息壌そくじょうだな。電母レイジーとの戦いを見ていたよ。俺には通じんな。」


ライゾウ「俺の武器が息壌そくじょうだけと思うなよ。」


ライゾウは雷槌ミョルニルを右手で持ち、風伯に投げつける。


雷槌ミョルニルは回転し凄い速度で風伯に向かう。


風伯は風になって躱す。


風伯とライゾウはまだ大丈夫そうだな。

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