第418話 VS蚩尤(その5)

俺は蚩尤しゆう軍攻略のメンバーを念話で呼んだ。


集合した10人と1匹。

エルダーリッチの勇者ユイ。

ユイの使い魔、火の鳥フェン。

ダークハイエルフのグレイア。

雷神トールのライゾウ。

勇者ハーミアと勇者タクミ。

ヴァルキリーのスクルド、ヒルド、スコグル、フリスト。

悪魔パイモンのアンナ。


「この拠点の防衛は任せて先に進むぞ。」


皆「はい。承知しました。」


ヒナの迷宮転移で魑魅魍魎達の後方に移動した。


「さあ、進むぞ。」


魑魅魍魎に会わない様に進むが、数が多く戦闘が発生する。


その時、一陣の風が吹いて、前方に風伯が現れた。


風伯「樹海帝国皇帝ヒロト!やっと来たか!」


風伯。

鹿の長い胴体、豹柄。孔雀の頭。

奇妙な鋭い角が2本。蛇の尻尾。


黒い道士服。頭には黒い道士の帽子。

左手に車輪、右手に広げた扇を持つ。


「風伯か、待たせた様だな。」


風伯「ははは、随分遅かったので、色々やったぞ。魑魅魍魎達がは今や王国中に広がった。そして・・・。」


そしてもう一人、風伯の隣に現れた。


霧が風伯の隣で人となる。


雨師うし「俺は雨師うし、名を萍翳へいえい。戦力も整えさせて貰ったぞ。」


雨師うし

ひげを蓄えた壮年。白い道士服。頭には黒い道士の帽子。左手に皿状のはち。右手から水が流れている。そして足が1本。1対2枚の神鳥の翼。


雨師の右手から流れる水が蛇のように動き、魔方陣を描き出した。


魔方陣は9つ。


魔方陣から神気が涌き出る。


雨師「時間があったのでな、かなりの強化が出来た。」


雨師は詠唱する。


いにしえに天を征した、伝説の竜が生んだ九匹の子よ。地を切り裂き、水を渡り、火を喰らい、空を駆けよ。そして伝説の竜を越えよ。此の地に蘇れ『竜生九子りゅうせいきゅうし』!」


俺たちの前に風伯と雨師が現れた。


雨師は右手から流れる水で9つの魔方陣を作り出す。


そして竜生九子りゅうせいきゅうしを召喚した。


竜生九子は竜が生んだ九匹の子。


一つの魔方陣で構成している水が黄色に変わる。


壮大で静かなメロディーが流れる。


魔方陣から出てきたは黄色く細長い牛の形をした四つ足の龍。2本の牛の角。全身は龍の鱗。


囚牛しゅうぎゅうが現れた。


雨師「囚牛しゅうぎゅうよ、絶望に落とせ。」


一つの魔方陣は黒く変わる。


怒気と共に大きく開いた龍の口。そして迫力の眼光。四つ足の龍が現れた。


睚眦がいさいが不敵に笑う。


雨師「睚眦がいさいよ、破壊せよ」



一つの魔方陣は水が風に変わる。

風は吹き荒れ鳥の形をした龍が現れる。


嘲風ちょうふうが飛翔した。

雨師「嘲風ちょうふうよ、吹き飛ばせ。」


一つの魔方陣からは大きく低い声が聞こえる。


ガッチリと地を掴む四つ足は太く逞しい龍。


蒲牢ほろうが吠えた。

雨師「蒲牢ほろうよ、吼えろ。」



一つの魔方陣からは炎が浮かび煙が立ち込める。


真っ赤な獅子の形をした竜。


狻猊さんげいが燃える。

雨師「狻猊さんげいよ、燃やし尽くせ。」

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