第318話 暗黒街ミレース(その9)
ヒルド「私達の行動に不満があるなら、貴方が一人でやればいい。」
ハーミア「私にはやり遂げる力が無いのです。」
ヒルド「力をつければいい。」
ハーミア「そんなに直ぐには強くなれない。」
スコグル「ははは、口だけか。金魚のふんみたいにただ後を付いて来るだけの奴は意見を言うな。」
ハーミア「・・・。」
スクルド「ハーミア、貴方がどうしてもと言うから、同行を許しましたが、私達の行動に疑問があるなら同行を拒否します。貴方の意見で行動を変える気はありません。」
ハーミア「・・・すいません。」
ハーミアは明らかに納得していない様子だが、ここでスクルド達と別れる選択が出来ない為、話を打ち切る。」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
エルソルがエルサラとの面会を調整し、グレイアとエルサラの面会が実現した。
ハーフエルフの集落、エルサラの応接室にて。
エルサラ「私がこの集落の長エルサラです。」
グレイア「樹海帝国ダークエルフ国女王のグレイアだ。この度は面会の機会を与えてくれて礼を言う。」
エルサラ「グレイア様は大国の女王、そのような礼は要りませぬ。私の事もエルサラとお呼びください。」
グレイア「うむ。エルサラ、本日は2つ話があって来た。」
エルサラ「はい。」
グレイア「1つは我が国の状況の説明とハーフエルフ、ダークエルフの保護についてだ。」
エルサラ「保護ですか。」
グレイア「私達はエルフや他種族に迫害されて来たハーフエルフとダークエルフが集まって国を作った。」
エルサラ「その事は知っております。」
グレイア「我が国は樹海のエルフ達と長年抗争を続けてきたが、この度、樹海のエルフ達は樹海帝国皇帝陛下陛下によって、滅ぼす事が出来た。」
エルサラ「おお、噂は真実だったのですね。」
グレイア「うむ。平和で安定した環境となったので、仲間達で希望があれば我が国の移住を勧めている。この地に住む仲間達で希望があれば受け入れる用意が有ることを伝えに来た。」
エルサラ「おお、それは素晴らしい。仲間達に確認し希望者がいれば、是非ともお願い致します。」
グレイア「もう1つは、ここに来る途中に入手した情報だ。」
エルサラ「情報?」
グレイア「この集落を半魔族達がヴァルキリーと組んで襲撃する計画を立てている。更にオーチ伯爵も襲撃に加わる様子だ。」
エルサラ「ヴァルキリー!」
グレイア「スクルドとヒルド、スコグルの3名。」
エルサラ「国王親衛隊長のスクルド様ですか?」
グレイア「そうだ。」
エルサラ「スクルド様が半魔族と手を組むとは考えられませんが、そうですか。そして、オーチ伯爵もですか。」
グレイア「貴方達が保持している古代兵器を狙っているようだ。」
エルサラ「なるぼど、情報ありがとうございます。」
グレイア「裏をとるなら早くした方が良いな。あまり時間はなさそうだ。」
エルサラ「はい。そうさせていただきます。もし、移住する場合、グレイア様の国に行くのに、どのくらいの期間がかかりますか?」
グレイア「転移の魔法があるので、そちらの準備が出来れば直ぐに行けるぞ。」
エルサラ「転移の魔法!素晴らしいです。一度に何人ぐらい行けるのでしょうか?」
グレイア「ん~。この集落の人数ぐらいなら全員一度に転移可能だ。」
エルサラ「全員!」
エルサラ「グレイア様、一時避難することも可能でしょうか?」
グレイア「良いだろう。戦闘に向かない者達の避難も受け入れよう。無理はするなよ。」
エルサラ「ありがとうございます。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます