第31話 VS冒険者ダノワ

冒険者ギルドは石造りの大きな建物だった。

扉をあけると騒がしい声が聞こえる。

正面は受付のカウンター、右側に酒場があった。

夕方になっていたので、依頼の報告や1階の酒場で飲み始めてる人も多い。


受付に行列ができている。やっぱり綺麗な受付嬢の行列は長く、オッサンの行列は短いね。


ボーっと見ていたら、後ろから荒々しい声がした。

冒険者「小僧!邪魔だ退けろ!」

後ろを振り向くと知らない男が右手で俺を横から叩こうとしていた。


「すいませーん。」

棒読みのセリフで答える。

いつの間にかムラマサの魔力が身体を包んでおり、瞬間的にかわしていた。


冒険者は、叩こうとした身体がなかった為、身体が游いで体勢を崩した。


(ムラマサ、有難う。)

ムラマサ(いえいえ、失礼な奴でござるな。斬りましょう。)

(まあ、待て。)


冒険者は謎の革の鎧をきている。

腰にロングソード。

がっしりとした体型。

大柄で190cmぐらいか。

角刈り。ゴリラのような顔。

後ろに仲間が4人いる。


アイが鑑定した。

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名前:ダノワ

種族:人間

性別:男

職業:剣士

性別:♂

レベル:35

HP:248/350

MP:55/60

スキル:

 剣術(LV6)

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まあまあの強さだね。


冒険者は舌打ちし俺を睨んだ。

冒険者「俺を誰か分かっているのか!」

「知りません。」

平然として答える。


ダノワ「Cランク冒険者パーティ『深紅の剣』リーダーのダノワだ!俺を嘗めるとただじゃ置かないぞ。」

出ました!Cランク。

苦笑だ。

「知りませんね。」


ダノワ「見掛けない小僧だな、冒険者登録希望か?」

ダノワは俺の右手のハク、腰のムラマサ、ヒナを見てにやっと嗤った。

「いえ、冒険者になる気はありません。ただの見学です。」


ギルドの受付を見るが、黙って見ているだけだ。

一般の少年が冒険者に絡まれてるのに、止めようとする素振りも無いし、誰かに報告して呼んでくる素振りもない、黙認だ。

やっぱり冒険者ギルドは駄目な組織だね。


ダノワ「はあ~。ふ・ざ・け・る・な・よ!関係無いならさっさと出ていけ!」

「分かりましたー。出ていきますー。」

ヒナの手をとってダノワの横をすり抜け外に出た。

ダノワは手を伸ばし掴まえようとしたが、一瞬ですり抜けたので、空振りに終わる。

伸ばした手がワナワナ震える。


ヒナ「あんな奴ら、ぶっ飛ばしても良かったのに!」

「過激だね。あんなに人が見ている前ではブッ飛ばせないよ。」


ダノワは俺の武器と防具、ヒナに興味津々だった。

「大丈夫、十分にあおったから追ってくるよ。武器と防具とヒナに興味津々だったしね。」

ヒナ「ええ!キモっ!」

「人が見て無いところで、ぶっ飛ばしに行こう。」

ヒナ「良いわね。」

俺達は人気ひとけが無さそうな裏通りに進んだ。


あんじょう、後ろから5人が追ってくる。

しばらく進むと行き止まりになったので、後ろを振り向いた。


ダノワ「おい!小僧!白蛇の手甲と腰の剣、隣の女を置いていけ!命だけは助けてやる。」

ダノワ達はニヤニヤ笑いながら、武器を抜いて構えた。


「お前は粗暴そぼうな冒険者だと思ったが、強盗だったのか。武器を抜いたら殺されても文句は言えないよ。良いのかい?」

ムラマサが憑依し魔力が身体中を包んだ。

ムラマサの柄に右手をかける。


ダノワ「黙れ!その武器と防具は、冒険者でもない一般の小僧が持つには勿体もったいないから、有効利用してやるんだよ。」

ダノワは威圧しながら叫ぶ。

「それが冒険者のやり方かな?」


ダノワは全く脅しが通じない少年の俺に苛立つ。

ダノワ「うるせええええ。」

冒険者達は一斉に切りかかってきた。


先頭のダノワが上から剣を降り下ろしてくる。

抜刀しながら下から剣を持つ両手を斬る。


ダノワの横をそのまますり抜け、その首を袈裟斬り。


次に剣で突いてくる男を右にかわす。

下から振りあげて上段にある刀を両手で持つ。

かわした男の首を後ろから斬り落とす。


次の男は俺の首を狙って薙ぎ払う。

しゃがんでかわし両足を横薙ぎに斬る。

スラオが杭のように伸びて、倒れた男の心臓を貫く。


一番後ろにいた男二人は唖然としている。


ハクが右の男の首に跳び締め千切る。

スラオが炎弾ファイアーバレットで左の男の額を撃ち抜いた。


男が一人近付いて来た。

魔力探知で確認。

大きい魔力、強そうだね。


しかし、歩いて来るってどういうことだ?

助けるなら走って来ないと間に合わないだろう。

わざとゆっくり歩いているように見える。

まるで俺達が殺された後で、現場を押さえようとしてる感じがする。


いずれにしても証拠は隠滅いんめつだ。

「スラオ、現場の証拠隠滅してね。」

スラオ「はい。」


スラオの闇魔法が発動。

冒険者5人が影に吸い込まれる。

戦った形跡は跡形あとかたもなくなる。


「ヒナ、誰か来る。知らない振りしよう。」

ヒナ「はーい。」

俺とヒナは並んで歩き出す。

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