第10話 エリュマントス

皆、ドレイクのリザに乗ってる。

リザはゆっくり歩いている。


俺は首の付け根に座ってる。

俺の右手にハクが巻き付いてる。

左手にレイ。その上にアイとスパ。

俺のお尻の下にスラオ。

お尻が痛くならないように自ら志願した。

して強制じゃないよ。

そしてリザの頭にライゾウ。


ハク(お腹空いたなぁ。)

ライゾウ(うむ。何百年ぶりに食べるのもいいな。)

(何を食べる?リザも大きくなったから、果実じゃ足りないだろう。)

リザ(肉、食べる。)

(肉か。)

ハク(あの大きい猪がいいんじゃない。)

リザ(猪、食べる。)

(スパ、大きい猪はどこかにいるかい?)


スパ(右手の奥に大きい猪がいます。)

(有難う。アイ、偵察宜しく。)

アイが右の方向にスイーっと音もなく飛んでいく。


アイ(猪、居た。)

(アイ、鑑定情報送って。)


アイから念話で鑑定情報が来た。


名前:なし

種族:大猪エリュマントス

性別:♂

レベル:20

HP:200/200

MP:20/20

スキル:

 匂い探知(LV2)

 突進(LV3)


エリュマントスと言う種族の魔物だったんだ。

やっぱりな、どうりで強いと思った。

匂い探知は厄介かな。

風下から行こう。


音をたてないように風下から回り込んで、エリュマントスが見える位置に着いた。

前に追いかけられた大猪と同じだ。

体長は3mぐらい。

黒褐色の剛毛。黒いたてがみ

赤い目。

あごの牙が鋭い。

相変わらずフゴフゴ言ってる。


(取り合えずライゾウの雷撃かな?焦げないようにね。)

ライゾウ(任せときな。)


ライゾウが雷撃を放つ。

エリュマントスは、音をたてて倒れた。


スラオとレイ、リザ、アイのレベルアップのメッセージが流れた。

あれ!俺はレベルアップ無しか。


エリュマントスに近付き、スラオに口から侵入して魔石を取って貰う。

解体しないとな。


(解体出来る人~?)

し~ん。

だよね。


先ずは、血抜きかな。

(スラオ、血だけ消化吸収出来る?)

スラオ(出来る。)

スラオはエリュマントスに飛びつき口から入り込んだ。

大猪の中でもぞもぞしてる。

暫くすると。

スラオ(血、消化吸収、した。)


ダニとかも心配だ。

(スラオ、皮の表面を綺麗にして、糞尿も消化吸収。その後、皮と肉、内臓と骨に分けたいんだけど、出来そう?)

スラオ(やる。)

スラオはまた、大猪の中に潜り込んでいく。

モゾモゾしてる。


ライゾウ(面倒だな。このままガブリっていけないのか。)

(皮と骨、牙とかは素材になるかも、だから傷付けたくないんだよね。)

ライゾウ(ふむ~。色々面倒だな。)


(ああ、スラオ、水魔法と風魔法で冷す事も出来るかな?肉は冷やした方が良いって聞いた事がある。)

スラオ(やる。みる。)

モゾモゾ。


スラオ(終わった。)

綺麗に皮と肉、内臓、骨が分かれていた。


(良し、先ずは内臓系か。内臓食べる人?)

下処理すれば食べられるかも知れないけど、生は寄生虫とか危ないよな。

スパ(誰もいなければ食べます。)

(スパ、食べていいよ。)


スパは内臓に口をつけると、消化液を出し消化した物を飲み込んでいく。


(肉は焼こう。)

適当に肉をショートソードで切って部位に分ける。

レイに適当な太い枝を持ってきて貰い肉を刺す。

枝を地面に刺す。

(スラオ、肉を焼いて。)

スラオが火魔法で焼き始めた。

ライゾウも雷で焼いてる。


(ハク、骨と皮、牙は素材になるかもだから異次元収納ね。)

ハクは生焼きの肉をモグモグしてた。

ハク(モゴ、OK。)

ハクが骨と皮、牙を異次元に収納した。


ライゾウもリザも適当に焼いた肉を食べ始めた。

スパも内臓を食べ終わり、肉を食べ始めてる。

しっかりスラオが焼いた肉を枝を持って食べてみた。

塩コショウが欲しいけど、まあ喰えるね。

美味しかった。


(ところで、アイとレイは何を食べるの?)

アイ(魔力。)

レイ(水。)


(そか。アイはさっきMP吸収したけどそれで満足?)

アイ(不足、周り、魔素、吸収、大丈夫。)

ハク(不足分は周りにある魔素を吸収するから大丈夫みたいよ。)

(なるほど。レイは、どうする?)


スラオ(魔法、水、出す。)

スラオが水魔法で水を出した。

レイはその水を飲んでいる。

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