第11話 コボルト

ドレイクのリザに跨がって、南を目指しゆっくり歩いている。

お尻の下に鞍替わりにマジックスライムのスラオ。

右手に次元白蛇のハクが巻き付いてる。

左手にアルラウネのレイが絡まっている。

レイの上に土蜘蛛のスパがくっついてる。

レイの上にイビルアイのアイが止まっている。

リザの頭に雷獣のライゾウが乗っている。


スパの小蜘蛛達が周りを警戒中。


スパ(前方右にゴブリン3匹、何か担いでいる。)

(アイ、鑑定情報送って。)

アイ(はい。)

アイは音もなくスイーっと飛んでいく。


普通のゴブリン3匹だった。


(ライゾウ、ゴブリン3匹を雷撃で気絶させて。)

ライゾウ(よっしゃ、任せときな。)

ライゾウはリザの頭から飛び降りると、ゴブリン達の元に向かう。


ライゾウは雷撃でゴブリン3匹を気絶させる。

ライゾウ(気絶させたぞ。)

(有難う。)


ゴブリンのもとに行くと、コボルトの雌が縄で縛られていた。


コボルトは小柄で犬の頭。

身体中グレイの毛並み。

布の服を着ている。

手、足は毛並みを除くと人間と同じ。


アイから鑑定の情報が送られてきた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:なし

種族:コボルト

性別:♀

レベル:10

HP:9/100

MP:10/10

スキル:

 匂い探知(LV5)

 音探知(LV5)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー


匂い探知と音探知いいね。


「テイム」

<コボルトをテイムしました。>


思わずテイムしちゃいました。


ショートソードで縄を切る。

(俺はヒロト、宜しくね。君の名前はコボミに決めた。)

コボミ(えっ、あっ、助けてくれたのですね。有り難うございます。)

コボミは驚いておろおろしている。

助けられて、いきなり眷属になって、ステータスが2倍になったこともビックリだろう。


(レイ、コボミを回復して。)

レイ(はい。)

レイはコボミを回復した。


あ、ゴブリンも始末しないとね。

アイがMP吸収しライゾウとハクにMP分配。

その後、俺がショートソードでゴブリンに留めを刺す。

経験値が欲しいしね。

そしてスラオが魔石を回収。

ハクが死体を異次元に収納。


コボミのレベルアップのメッセージが流れた。


コボミ(え!レベルアップ・・・。)

(俺の眷属になるとレベルアップし易くなるんだよ。その内、進化も出来るよ。)

コボミ(そ、そうなんですか。嬉しいです。)


ハク(眷属になっても、自由だから安心して。)

だから、それは君だけです。って。

敢えて否定はしませんよ。しませんとも。

でも言う事は聞いてくれないと困るんだよね。


コボミ(眷属になる事で、強くなれれば問題はありません。)


そして仲間達をコボミに紹介して事情を聞いた。

(コボミ、何があったの?)

コボミ(私の兄弟5人で狩りをしていたら、突然ゴブリンに襲われたんです。私が捕まった為に兄と弟達は逃げられず戦っています。私が雌だったので連れ去られたんだと思います。ヒロト様!まだ兄と弟がゴブリンの群れと戦っています。助けて頂けないでしょうか?)


おお、敬語で話せるんだ。

(分かった、コボミの兄弟だから助けないとね、群れは何匹くらいいたのかな?)


コボミ(有り難うございます。群れは10匹くらいでした。)

(よし、きっと倒せるだろう。急ごう。)


倒したゴブリンの持っていたショートソードをコボミに渡し、コボミを先頭に兄弟の元へ向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーー

コボミの兄弟であるコボルト4匹はゴブリンの群れに囲まれて劣勢だった。

2匹は倒れて戦闘不能。もう2匹も身体中怪我をして血だらけ。


倒れた2匹を庇っていた血だらけの2匹が転倒。


ゴブリンソルジャーがロングソードを振り上げ、今にも止めを刺そうとしていた。


その時。

ライゾウが雷を放ちゴブリンソルジャーに命中。


俺は4匹のコボルトをテイムした。


コボミがショートソードでゴブリンを切り捨てる。

スラオがファイアーボール。

アイはMP吸収して、俺がスキルでMP分配。

レイはエリアヒール。

リザ、ハクはダメージが少ないゴブリンから攻撃していく。


エリアヒールで復活したコボルト達も戦線復帰。


ゴブリン達を蹂躙した。


レベルアップのメッセージが流れて、

5匹のコボルトは進化可能となった。


10匹のゴブリンの死体はスラオが魔石を取り出して、ハクが異次元収納。スラオに周辺を掃除して貰う。


10匹の内訳は、・・・

 ゴブリンリーダー (LV20)1匹

 ゴブリンメイジ  (LV20)1匹

 ゴブリンソルジャー(LV15)2匹

 ゴブリン     (LV10)6匹


新規加入のコボルト4匹は全員雄だった。

コボルトの長男から名前をコボ1、コボ2、コボ3は飛ばしてコボ4、コボ5とした。

コボミがコボ3の位置ね。


コボ1(助けていただき有り難うございました。)

(いえいえ。間に合って良かったよ。)


コボ1(その上、妹も救っていただき感謝しかありません。これからは主様に忠誠を誓って誠心誠意尽くしていく所存です。)

(かたいかたい。もっと気楽でいいよ。眷属という扱いだけど仲間だと思ってるからね。)


コボ1(いやいや、命を救っていただいた上に、これほどまでの力も与えていただいたのですから、主従の関係とさせていただきます。)

尻尾をぶんぶん振ってる。

(ふむ、そか~、まあ強制はしないので、好きな口調でいいよ。)


コボルトの眷属進化は本人達の希望も聞いて下記の通りとした。

コボ1 → コボルトリーダー

コボ2 → コボルトソルジャー

コボミ → コボルトシーフ

コボ4 → コボルトアーチャー

コボ5 → コボルトメイジ


後はアイもレベルアップに伴い魔力探知のスキルをゲット。

まあコボルト達の探知もあるので、奇襲はうけなさそうになったな。

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