第264話 南の王国へ(その3)

ヴァンス「陛下、お疲れ様です。このパスタと言う麺は旨いね。ワインにあう。ワインが進むよ。」


ヴァール「本当ですわ。そしてこのワインも美味しいです。」


ヒナ「そうでしょー。樹海産のワインは美味しいのよ。」


ヒナは一時期ヴァンスの元で吸血鬼の修行をしたので、3人とは顔馴染みだ。


給仕を呼び止めると俺達も注文した。


「カルボナーラ一つ。」


ハク「私はペペロンチーノと生ハムサラダ。」


ヒナ「私はボロネーゼ!」


レイ「美味しい水をちょうだい。」


ヴァンス「ところで陛下、話とは何のことでしょう。」


「おう、南の王国に行くんだが、アマゾネスの国に寄って情報を聞いて行こうと思ってね。


ちょっと誰かに先触れで行かせて、アマゾネス達と調整してくれない?」


ヴァンス「承知しました。ヴァイラ、頼んだ。」


ヴァイラ「承知しました。陛下の先触れ故、間違いがあってはいけませんので私が行きます。」


ヴァンス「アマゾネスの国に行くなら、私の国にも是非寄ってください。


この食堂ほど美味しいものは出せませんが、とっておきの料理をご馳走致します。」


「ふむ。いいね。ヴァイラ、それも含めて一泊二日で調整して。


行くメンバーは、俺とレイ、グレイア、ユイ、ウィーラ、ビー、アンナの7人とスラオとムラマサね。」


ヴァイラ「承知致しました。」


ヴァンス「奥方達は身籠で留守番か。悪魔の羽を伸ばすんだな。」


「おいおい、人聞きの悪い事言わないでよ。


浮気なんてするわけ無いだろう。そんな気はないけどスパの監視を甘く見て無いか?」


ヴァンス「確かにスパの監視の目は、逃れられないね。」


『シュタッ』と、スパとアンナのサイバー忍者二人が登場。


スパ「なんか失礼な事言ってませんか?浮気ごときでヒロト様を糾弾しませんよ。」


ヴァンス「お!浮気の許可がおりたぞ。」


「スパ、変なこと言わないの。皆が心配するでしょ。」


スパ「皆、ヒロト様を信頼してるので大丈夫ですよ。」


はぁ。なんか疲れる。


疲れた顔をしてたらレイが疲労回復の魔法を唱えてくれた。


淡く水色の光がぼんやりと俺を包んだ。


ブラリリが俺のカルボナーラを持ってきて話を聞いていた。


ブラリリ「陛下、私も同行させていただけないでしょうか?


小国群や南の王国の未知のメニューと食材に興味があります。」


「いいかもね。美味しい料理は是非うちのメニューに加えたいね。」


ヴァンス「おお!ブラリリが来るならうちの料理長にも勉強させたいので、事前に入国して貰って陛下に出す料理の打ち合わせと、更なる味の向上をお願いしたい。」


「いいよ、ヴァイラ、それも調整ね。」


まるでツアコンだな。


ヴァイラ「はい。お任せください。」


「そうだ。ヴァイラ、ついでに滞在するための現地のお金も用意してね。換金するお金は宰相のデレイズから貰って。」


ヴァイラ「は、はい。」


それも?って言う顔をしているが、まあ、いいだろう。


ヴァール「ブラリリ、陛下が注文したパスタを、小皿で私にも持ってきて、とっても美味しそうだわ。」


ヴァンス「俺も。そしてワインももう1本。」


ヴァイラ「私もパスタを小皿で。」


ヴァイラから念話が入った。


ヴァイラ(アマゾネス側と調整が終わりました。三日後に訪問をお願いします。)


(おお、有難う。)


ヴァイラ(現地の通貨も用意しました。三日後にお渡しします。)


(了解。)

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