第69話 トロル
妖精族の状況を念話で確認したところ、世界樹と精霊の物扱いについて、皆怒り
スパ「次はトロルの領地について説明しますが、良いでしょうか?」
「ああ、ごめん。続けてくれ。皆、静かに。」
スパ「トロルの領地は深淵の樹海北部にあります。
オーク軍との戦争終結に伴い、避難者は領地に戻りました。
集落の復旧は急務のため復興支援を実施中です。
オークによる復興支援は住民感情を逆撫でることから、コボルトとゴブリンを中心に復興支援の人材派遣しています。」
トロル族長老トロボが席を立つ。
トロル。
身長5mの巨人。
肌は薄い緑色。
筋肉質だが太めの体躯。
醜悪な容姿。
知能が低く大雑把な者が多い。
再生能力がある。
通常布または毛皮を纏っているが、トロボ達、樹海王国で保護したトロル達は、布の服を着せている。
トロボ「保護、支援有難う。やっと領地に帰る事が出来た。」
ヒナ「大変だったねー。」
トロボ「大変だった。いきなり山脈に洞窟が出来て、中からオークが湧き出てきた。オーク達と戦ったが数で圧倒されて仲間が殺された。俺の親父のトロルの族長でトロルキングだったトロダムも殺されて、一族は離散した。親父の後を継ぎ族長になったが、何をすれば良いか分からないところを助けられた。この恩はいつか必ず返す。」
トロボは少し頭が良いみたいだ。
族長だから馬鹿だと一族滅亡だからな。
トロボ「ヒロト王、俺を眷属にしてくれ。」
「いいよ。」
トロルの個人の力はコボルト、ゴブリン、オークより上だからな。
戦力になるだろう。知能が低い者が多いので、連係は出来なさそうだけどね。
トロボをテイムした。
<トロルをテイムしました。>
メッセージが流れる。
トロボ「おお!強くなったのが分かる!これで、俺はヒロト王の配下だ。トロルの力が必要な時は言ってくれ。」
「今、トロルは何か働いて貰ってるのかな?」
ヒナ「土木関係とか力仕事の単純作業を主にして貰ってるわ。」
トロボ「給料も貰えて、生活が安定しているので、領地に戻ってからも引き続きお願いしたい。」
「それはこちらからもお願いしたい。」
ヒナ「単身赴任とかになっちゃうけど大丈夫?」
トロボ「大丈夫。領地復旧の為にも資金は必要。避難していた仲間達も少しづつ戻って来てるので、仕事はもっと欲しい。」
ヒナ「仕事はいっぱいあるよー。」
トロボ「有難う。宜しくお願いだ。」
ヒナ「まるでトロルの領地は樹海王国の属国だねー。」
トロボ「属国で結構だ。実質、樹海王国無しでは生活が出来ない。いまさら前の原始的な生活に戻りたいと思う仲間もいない。なんと言っても食事が旨い!生肉なんてもう食えない。」
元獣人国の三人の長老が激しく同意している。
ケットシー族長老キャル、ウェアウルフ族長老ウルズ、猿人族長老モンタだ。
キャル「そうそう。あんな新鮮な魚が食べられるなんて反則だにゃー。」
ウルズ「何てったって、肉が旨い!もう獣人国の肉は喰えんぞ。」
モンタ「フルーツもスイーツも何もかもが旨い!樹海王国から離れるなんて考えられない。」
トロボ「そうなんだよ。むしろ単身赴任でこっちで生活したい者が多くて困ってる。」
ヒナ「領地が復旧したら同レベルの食生活が出来るようにしましょー。」
トロボ「そうして貰えないと困るぞ。」
獣人達とトロボは食事の話でおおいに盛り上がってる。
「ヒナ、ところでオークが湧き出てきた洞窟はどうなってる?」
ルシー「魔族の国と繋がってる私が作った洞窟ね。」
ヒナ「ダンジョン化して魔族の国からは使用できない様にしたよ。入り口が樹海側からしか開かないの。現在は両方の出入り口を塞いでるから使用できないよ。」
「それでOKだ。当分使うことも無いだろう。」
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