第340話 千尋の洞窟(その14)
後ろからラブリルが叫ぶ。
「ヒロト!千尋の洞窟から出たら領主の館に来なさい。お礼をします。絶対来るのですよ!領主の命令です。」
俺達は声を無視して先に進んだ。
騎士「おい、起きろ!」
騎士は『紅蓮の刃』のエンライを叩いて起こす。
エンライ「う、なんだ、これはいったいどうした。」
エンライは両手の蔦を見る。
手を無理矢理広げて、蔦を引き千切ろうとするがびくともしない。
エンライ「これはなんだ!」
騎士「うるさい、さっさと歩け。」
紅蓮の刃の魔法使いエルダラも無理矢理引き起こされた。
エルダラ「ふん、こんな蔦焼き尽くしてやる。ファイアーボール!
・・・。」
魔法が発動しない。
エルダラ「何!魔法が使えない。」
騎士「無駄な事はするな。歩け。」
紅蓮の刃のメンバーは全員気絶から覚めて入り口まで歩かされる。
エルダラ「何かおかしい・・・。歩く旅に疲れが増していく。ちょっと休ませてくれ。」
騎士「駄目だ!さっさと進め。」
エルダラはヨロヨロと歩いていく。
騎士「姫様、あの人達はいったい何者なんでしょう。」
ラブリル「分からない。何にしても助かったのは事実。あの魔力を感じたでしょう。何れにしても敵対しない方が良いでしょう。領主の館に来るのを待ちましょう。」
騎士「そ、そうですね。」
騎士達と紅蓮の刃は千尋の洞窟の出口に向かった。
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しかし、隠蔽魔法を見破ったのが直感だったとは、対応出来そうにないな。隠蔽魔法を過信しないようにしなきゃ。
俺達は問題なく千尋の洞窟を進んでいく。
地下10階を越えると冒険者達はいなくなった。
通常は上級冒険者達が何組かいるのだが、地下5階までの魔物がいなくなった問題の対応の為、上級冒険者も地下5階迄を調査していたのだ。
冒険者達を避ける必要がなくなり、進む速さが上がる。
そして地下20階を越えた。
フェンから念話が届いた。
フェン(騎士達は無事千尋の洞窟を出ました。)
(御苦労様。ユイに召喚して貰おう。)
ユイがフェンを召喚しフェンが現れた。
ユイ「フェン、お疲れ様。問題なかった?」
フェン「問題はありませんが、地下5階で連行していない紅蓮の刃のメンバーから襲撃を受けましたが、撃退しました。」
ユイ「御苦労様でした。これで紅蓮の刃はおしまいだね。領主の娘を襲うとは本当にどうかしてるよ。」
ウィーラ「全くじゃ。」
「たしか、現在地下23階まで攻略してるんだよね。」
ウィーラ「そうじゃな。そう言ってた。」
「地下25階を越えたら、階層の魔物を全部討伐していこう。」
グレイア「あと5階ですね。」
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