第339話 千尋の洞窟(その13)
ラブリル「貴方達は何者ですか。」
ラブリルは俺を注視している。
「ただの旅人だ。それ以外は話す気は無い。それよりいいのか?倒れている冒険者達は気絶しているだけだ。魔物も集まってくるぞ。早く帰るが良い。俺達は先へ進む。」
3人でダンジョン入り口まで行けると思わないがね。
面倒だから放っておこう。
騎士「無礼者!その言葉遣いはなんだ。旅人風情が許さんぞ。」
「帰るぞ」
俺達は振り返り先へ進んだ。
騎士が俺の右肩を掴もうと手を伸ばす。
俺はスラオの魔力検知で騎士の動作を把握している。
振り向き様峰打ちでムラマサを抜刀。
騎士を草薙に斬り払い、叩き飛ばす。
「そこで領主の娘と死ぬんだな。
冒険者も時期に目を覚ますだろう。
助けて損したよ。次手を出してきたら本当に斬るぞ。」
騎士「・・・。」
騎士は何も言えなくなった。
ラブリル「待ってください!お詫びいたします。」
俺は後ろを向き、無視して先へ進もうとした。
ラブリルが俺の手を両手で掴んで懇願する。
俺は振り替える。
「手を放せ!」
ラブリル「すいませんでした。私達だけではダンジョンを脱出することが出来ませんどうか出口まで護衛してください。」
「しょうがないなぁ。」
騎士は舌打ちをして俺を睨む。
お、やる気!俺も騎士を睨んだ。
騎士は下を向く。
「ところで、この二人はまだ息があるよ。」
胸を刺された二人の騎士を指差した。
ラブリル「え!」
俺は左手を倒れている二人の騎士に向ける。
レイの最上級の回復魔法が二人の騎士を包む。
荘厳な神気。
二人がみるみる回復していく。
二人の騎士が立ち上がった。
二人は両手を開いたり握ったりして体調を確認している。
騎士「どうして・・・。刺されたはずなのに。」
騎士「どこも痛くない。しかも体調がすこぶる良い。」
「冒険者達は縛っておこう。」
同じく左手を冒険者達に向けると、レイの精霊魔法で固い蔓が、冒険者達の両腕を縛る。
「魔法も禁止にしておくか。」
右手を冒険者達に向ける。
スラオの闇魔法で冒険者達の首の後ろに、魔法禁止と体力低下の呪いの魔方陣を着けた。
その後、レイの魔法でラブリルと二人の魔法騎士も回復した。
傷が全てなくなり体力が戻った事に驚いている。
騎士「これほどの回復魔法は見たことがない。」
「これでダンジョンから出れるだろう。」
ラブリル「え!・・・たしかに。」
「フェン、念のため入り口まで護衛してあげなさい。」
ユイの肩に止まっていた火の鳥のフェンがラブリルの肩に止まった。
「じゃあね。」
俺達は振り返り先に進んだ。
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