第77話 VSガラード王国(その1)

朝ご飯を食堂で食べて、城のリビングに入る。


リビングは俺が落ち着ける様に華美な装飾、調度品は置いていない。

シンプルが一番だね。

白い壁。

俺はソファーに座る。

包み込まれるタイプ。

黒の総トップレザー。


右に人化のハク、左に人化のレイが座る。


「スパ、魔族の国とシルミル教国の情報収集について、小蜘蛛の数は足りるかね。」

スパ「全く問題ありません。」


「予想外のところから襲撃されると大変危ないので、情報収集はしておきたいな。」

スパ「承知しました。」

スパ「ところで、ガル村にまた臨時の徴税の命令が出て揉めています。ガル村はこれ以上徴税されると、飢えるしかないところ迄来ています。」


「ちょっくら行ってくるよ。」

妻達「私達もいくわ。」


ハクの転移でガル村に行く。


勅使と村長が村の門前で言い争っている。

勅使の後ろにはガラード王国軍兵士が数十人武器を構えている。

村長の後ろに門番2名。


勅使「つべこべ言うな!国の決定だ。出すものを出しな。」

勅使はニヤニヤ笑っている。


村長「これ以上、麦を持っていかれると、村で食べる物が無くなります。どうかお許しください。」


勅使「この村の事情は知らないね。とにかくそこをどけ!」

勅使が剣を鞘から抜くと、村長に斬りかかった。


俺は素早く踏み込み、村長と勅使の間に入る。

勅使の振り上げた剣を持つ右手を掴む。

「殺すことはないだろう。」


勅使「貴様、誰だ!」

村長「ヒロトさん!」


勅使「誰だか知らんが、邪魔すると貴様も只じゃ置かないぞ!」

勅使は剣を横に振り、俺の手を払い睨む。


ハクが勅使に向かって歩いてくる。

その後ろを妻達が歩いてくる。

ハクを先頭にレイ、リザ、アリア、コボミ、ハピ、スパ、ヒナ、ルシー、サクラ。

今日は妻達全員人化状態。


勅使「ほほー。良い女達だな。麦の替わりにお前達でも良いぞ。」

勅使は妻達を厭らしい目で見ている。


ハクは勅使の目の前迄行くと立ち止まる。

勅使はハクの身体を上から下までゆっくりと、舐め回すように見ていく。


勅使「良い女だ。俺の女にしてやる。」

剣の腹でハクの頬をポンポンと二度叩く。


ハクが勅使の頬を平手打ち。

目にも留まらぬ速さ。


ハク「気持ちわるい。」

ヒナ「キモい!」


勅使は横に倒れる。

そして立ち上がると赤く腫れ上がった頬を手で押さえながら叫ぶ。

勅使「貴様等、只で済むと思うなよ!男は殺して、女を捕まえろ!」

勅使は後ろの兵士に命令する。


俺は妻達に念話。

(皆、殺さないようにね。)

皆(はい。)


兵士達は武器を振り上げ俺に向かって来た。

ムラマサを抜刀し峰打ちで兵士達を叩き打って行く。


妻達も兵士達に向かって行き拳で殴る。平手で打つ。蹴り飛ばす。

アリアは剣の腹で叩いた。

あっという間に数十人の兵士が全員倒れて呻いている。


勅使は茫然としていたが、すぐに気を取り直す。

勅使「貴様等!王国に逆らったらどうなるか知ってるのか!」

「どうなるんだ。」


勅使「男は殺して女は・・・」

俺は勅使を拳で殴った。

「もう良い。

貴様等の宣戦布告は確かに受け取った。

ハク、こいつエビデンスね。

異次元にしまって。」


ハク「はい。」

勅使を異次元に収納した。


俺は振り返り村長を見る。

「俺は樹海王国の王ヒロトだ。彼女は妻のハク、王妃だ。

事情は分からないが、言い争いを止めようとしたら、王妃に剣を向けられた、挙げ句に卑猥な言葉を投げ掛けられて宣戦布告されたので、それを受けた。

・・・ここまでいい?」

村長は頷く。

「樹海王国はこの村に攻め入り占領し領地とした。

領地なので、食料を支援し村を救済します。」

村長は頷く。


オニバルとオーク兵を100人召喚する。

「オニバル、初仕事だ。暫定でこの村の防衛を任せる。兵100人で防衛せよ。」

オニバルとオーク兵はミスリルの黒いフルプレートアーマーを装備していた。

オニバル「はい!承知しました。」


ガラード王国軍の兵士に向かって叫ぶ。

「お前等!今の話しを聞いたな!逃げ帰って上官に報告しろ!」


黒いフルプレートアーマーのオーク兵100人にビビって、ガラード王国軍兵士達は痛みが残る身体を起こし、慌てて逃げ帰った。


俺は国に戻り、状況を幹部達に説明。


オニバルにはその後、アキート、ショーと一緒に樹海周辺の村を周り、穏便に占領の体裁をとり護衛を残すように指示した。

「オニバル、アキート、ショー、宜しくね。」

オニバル、アキート、ショー「「「承知しました。」」」


「サクラに頼みがある。今、樹海周辺の村を占領し護衛してるんだけど。護衛をいつまでも置いておけないので、ゴーレムかガーゴイルを置いて、何かあった時だけ動ける様に出来ないかな?」

サクラ「出来るよー。オニバルと調整して必要なガーゴイルを送っておくよ。ガラード王国に侵略するのかな?」

「戦い始めたところだけどその気はないよ。取り敢えず樹海周辺の村と町は手にいれる。あとは、今のところ知らない。」


デステル「オニバルはアンデットナイトかな?は珍しいな。リビングアーマーからの進化かい。」

ルシー「いや、私の死霊魔法だ。アダマンタイトのフルプレートアーマーとオークエンペラーの魂を使った。」

デステル「もとがエンペラーの位か。強烈な魔物を作ったもんだ。」

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