第394話 VS夸父(その2)

コボミが側に来た。

コボミはコボルトから麒麟に進化した后妃。妊娠中。コボ1、コボ2の妹。コボ4、コボ5の姉。


コボミ「陛下。ちょっといいですか?」


「いいよ。なんだい?」


コボミから提案は珍しいな。


コボミ「コボ1兄さんとゴブ1、オク1、オガ1から言われてたのだけど、それぞれ眷属多数いるので、数の戦いで何時でも出撃出来ますって言われてました。」


そうか。


コボ1は樹海帝国のコボルトの殆どを眷属としている。


ゴブ1はゴブリン、オク1はオーク、オガ1はオーガ。


通常大量の兵士を現場に出撃させると移動に時間がかかるので、転移で飛ばして眷属召喚で現地に眷属を派遣する方が圧倒的に速い。


なので、眷属を多く保持する仲間に行かせるんだけど。


コボルト、ゴブリン、オーク、オーガも有りと言えば有りだな。


「でも、それぞれの国の国民だよね。戦争は犠牲が出るぞ。」


コボミ「何を仰いますか。始めは我々が戦士として戦ってきました。当時から戦いのため修行し、狩りの迷宮でレベルを上げ続けています。更に現在は樹海帝国製のアダマンタイトのフルプレートアーマーを装備し魔剣を持っているから一騎当千ですよ。準備万端です。『今この危機に出撃しないで、いつ戦うんですか!』ってコボ1兄さんが言ってました。」


ああ、蚩尤しゆうの映像を念話で幹部全員に流しちゃったから、皆張り切っちゃったか!


ハク「リザルド父さんも『俺も行かせろぉ!』って言ってたよ。」


戦闘狂義理父ばかおやじがぁ。


古竜の山脈の龍脈を占領した蚩尤しゆう軍。


龍脈から続々と現れる魑魅魍魎と、それらを指揮する怪力無双の巨人夸父こほに、圧倒されて手が出ず監視に徹する古竜ドライマ。



念話で俺に助けを求めてきた。


風伯の念話の映像を見て憤慨した眷属達が出撃を立候補してる様だ。


その中からゴブ1、オガ1とリザルドを出撃させることにした。


後はアンナと・・・。


ここ一番のオニバルだな。


この前進化したライゴーとライカも連れてこう。


俺は出撃する眷属達に連絡した。


オニバル(師匠、今回はタクミにも出撃の許可をください。)


(タクミ?誰だっけ?)


オニバル(ユイと一緒に日本から召喚された勇者です。現在、我が軍に在籍していますが、厳しい修業の結果、覚醒しました。)


(そんなのいたな。分かった出撃させよう。)


ふむぅ。覚醒勇者か。


覚醒勇者と言えば、ハーミアは今何やってんだ。


ステラド地域にいるかな?


(マシラン、今ステラドに覚醒勇者のハーミアはいるか?)


マシラン(はい。風伯出現後、帰還時に我が軍に加えました。)


(反省してる様子か?)


マシラン(反省?その事は良くわかりませんが、真面目で死に物狂いに訓練しております。)


(そうか。今回の出撃に加えよう。)


俺はステラドのマシランの元に転移した。


「マシラン、ハーミアを呼べ。」


マシラン「はい。」


マシランはハーミアを呼んだ。


「ハーミア、蚩尤しゆう軍と戦いたいか?」


ハーミア「勿論です。戦わせて下さい!」


「今の実力では亜神は倒せないだろう。俺の眷属にしてやる。必死に戦い進化して、蚩尤しゆうの亜神どもを倒してみろ。」


ハーミア「あ、有難う御座います!」


「眷属は俺の命令に従うんだぞ。」


ハーミア「はい。承知しております。」


俺はハーミアを再度眷属とした。


ハーミア「ああぁ。この感覚。力がみなぎってきました。」


「良し、行くぞ!」

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