第13話 吸血鬼
しかし全く樹海を抜ける気配がしない。
1日程度で人間の国に行くと勝手に考えていたけど、樹海を舐めてたよ。
もう夕方ぐらいになってきた。
なんか朝に異世界転移してから今日は濃い1日だったよ。
まあ、リザに乗っているので、歩いてる距離はそんなでもないんだけどね。
ライゾウはリザの頭の上でコックリしてるし。
野宿かぁ。はぁ~。
(コボミ、どこかに野宿できそうなところはないかね。)
コボミ(はい、周囲を探索してきます!)
シュタッ!っと音が聞こえそうな勢いで、コボルト達は周囲の探索を始めた。
鳥の眷属もいた方がいいかもね。
もっと広範囲の探索が出来そうだ。
そんなことをつらつらと考えながら歩いていると。
コボ4(ヒロト様!洞窟を見つけました。内部は広そうです。)
(でかした!早速みんなで行ってみよう。)
周辺探索中のコボルト達へ、コボ4の元へ集合するよう念話で指示を出して、洞窟へ向かった。
魔物使いのスキル最強だね。
眷属の位置が分かるし、その位置を他の眷属にも伝えることができる。
念話が便利。電話と1字違うだけだけど大違いだ。映像も共有出来るし。念じるだけでいいし。
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おお、確かに洞窟だね。
なんだろう、ゲームのダンジョンを思わせる。『THE 洞窟』って感じ。
入り口は縦が180cmくらい。
人が一人立って通れる大きさ。
内部はもう少し広い。
二人並んで歩けるくらい。
リザは通れないよな?
と思ったら小さくなってた。
レベルアップで新スキルを取得してたみたい。
後で皆のスキルも確認しないとな。
すこし歩くと外の光が入って来なくなり、暗くなってきた。
(これ、灯りが欲しいね。)
スラオ(ファイア、ある。)
スラオが身体の一部を棒のように伸ばして、その先端にファイアーで火を灯した。
(お!いいね。松明みたいだ。)
前にコボ1、コボ2、後ろはコボ4、コボ5。
まん中に俺も含めたその他のメンバーの隊列で奥へ進む。
コボ1(ヒロト様、前方にゴブリンの匂いがします。)
(アイ、先行して鑑定よろ。)
アイ(はい。)
スイーっと音も無くアイが
アイからゴブリンの鑑定情報が念話で送られてきた。
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名前:なし
種族:ゴブリン
性別:♂
レベル:10
HP:95/95
MP:10/10
スキル:
なし
その他:
ダンジョンに従属
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ん?『ダンジョンに従属』って、ここはダンジョンだったんだ。
(ライゾウ、ゴブリンは雷撃で気絶させてくれ。)
ライゾウ(はいよー。)
雷獣のライゾウは消えたように見えるくらい速いスピードで奥に走っていった。
ライゾウ(任務完了!3匹気絶させたぜ。)
(仕事が速いね、有り難う。)
ライゾウ(今、一番奥にいるけど、他にゴブリンはいないようだぞ。)
ダンジョンは思っていたほど広くないようだ。
3匹しかいないダンジョンって。
思わず苦笑い。
3匹の気絶したゴブリンは異次元収納し、みんなで奥に進んだ。
ライゾウ(行き止まりだぞ。)
広めの部屋のようなスペースで行き止まりのようだ。
ダンジョンマスターがいたり、ダンジョンコアがあったりするはずだ。
(アイ、魔力検知でこの部屋の回りを調べてみて。)
アイ(はい、この奥に何かがいます。)
アイが見ている壁を調べると一ヶ所押せる石があった。
押してみる。
壁が上に動いて通路が出現。
通路を歩いて行くと扉があった。
扉を開ける。
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部屋の中にはベッド、ピンクのベッドカバー。
白いタンス。2Pのソファー。
白い壁紙。
日本のマンションかアパートの部屋だ。
女の子の部屋?
懐かしい匂い!
ソファーに座ってずるずるカップラーメンをたべてる女の子がいた。
長い黒髪。ポニーテール。黒目。
ジーパン、長袖Tシャツ。
どこから見ても日本人。
年齢は高校生くらいか?
ビックリした顔。
「カップラーメン!」
俺が日本語で叫ぶと。
女の子「日本語!日本人?良かった~。助けて。」
女の子が俺を見ながら話しかけてきた。
アイから彼女の鑑定情報が念話で送られてきた。
何も言わなくても、俺のして欲しい事を考えて動ける様になってきた。良い傾向だな。
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名前:スズキ ヒナ
種族:吸血鬼(五世代)
職業:ダンジョンマスター
性別:♀
レベル:1
HP:10/10
MP:10/10
スキル:
ダンジョンマスター(LV10)
SP:100
DP:3
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ダンジョンマスターで吸血鬼!
しかも五世代って。
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