第6話 ゴブリン
(疲れたぁ。足が棒のようだ。
近くの岩の上に腰を下ろした。
ハク(さっき猪に追われて走ったからね。)
(そそ。怖かった~。)
ハク(フフフ。)
(そう言えば、ハクはどのくらい強いの?猪に勝てる?)
ハク(勝てるよ~。余裕ね。)
(え~。だったら助けてよ。)
ハク(何やってるんだろうって思ってた。まさか逃げるとは思っても見なかったよ。)
(え~。レベル1だよ。勝てるわけ無いじゃん。)
ハク(レベル1なのも、その時は知らなかったし。)
(そか~。今度は助けてね。)
ハク(は~い。)
ハク(ヒロトは何であんなところで寝てたの?)
(それが良く分からないんだ。異世界転移って知ってる?)
ハク(ん~。聞いたことがあるかなぁ。)
(俺が生きてた世界はここじゃ無い。違う世界から呼ばれてあそこで寝てたみたい。)
ハク(へ~。人間の勇者みたい。)
(勇者を知ってるの?)
ハク(聞いたことがある程度だよ。)
(どんな事を知ってるの?)
ハク(魔王が現れた時、人間が違う世界からから呼ぶと聞いた。後は魔王を唯一殺せる存在。)
(ふむふむ。俺は勇者じゃ無いよ。)
ハク(知ってる。職業は魔物使い何でしょ。)
(そうそう。職業を知ってるんだ。)
ハク(人間が戦う為の一つの技術ね。職業に就くと使える技が増えるわ。)
(職業は変えられるのかな?)
ハク(分からない。上位の職業になる事は出来るらしいよ。やり方は知らないけどね。)
(そうか~。残念。ところで魔王って現在はいるの?)
ハク(北の魔族の国にいるよ。人間と争っている。)
(うへ~。会いたくないな。)
ハク(瞬殺されちゃうね。)
(
ハク(ところで、スライムとかフォレストリザード、フライングアイを眷属にしたのは、どんな理由?)
(皆には内緒だけど、一人が怖くて出会った魔物を眷属にしただけさ。)
ハク(別に内緒にしなくてもいいでしょ。皆も自分達がこの森の底辺だって自覚はあるよ。他の魔物の餌になっちゃうから数が多いんだよ。いつ食べられるか、ビクビクしてたはず。それが意識もって、生き生きしてる。生き生きしてるフォレストリザードなんて始めて見たよ。きっと感謝してるよ。)
(そか~。そうならいいんだけど。)
ハク(その上、眷属になってステータスが倍でしょ。喜ばない訳ないよ。)
(良かった。後はレベルアップもさせてあげたいな。俺のスキルで経験値も倍になるようだし。)
ハク(経験値が倍!凄いね。レベルアップも面白そうだね。レベル1の眷属達は、通常敵を倒す事なんて無いから、どうなるんだろう。)
(俺のスキルで進化も出来るみたいだよ。)
ハク(進化!おお!私も進化出来るのかしら?)
(出来ると思うよ。でも相当レベルが高い敵を倒さないとダメかもね。)
ハク(良し、皆レベルアップして強い敵をどんどん倒そう。)
(先ずはレベルアップね。)
なんて話をしていたら、横の草が、がさがさと動いた。
と思ったらゴブリンが現れた。
緑の皮膚。短い角が頭に2本。
小学生位の身長。140cmぐらいかな?
どこかのお寺にある銅像の十二神将が足で踏んでいる邪鬼に似ている。
口が大きく、牙が見える。
大きい上がり目、耳が尖っている。
ショートソードを持っていて、
布の服を着ている。
「テイム」してみた。
〈他者の眷属はテイム出来ません〉
のメッセージ。
あれ?他者の眷属!
まずい!
ゴブリンはショートソードを振り上げ迫って来ていた。
ヤバっ!
後ろに下がろうとしたら足がもつれた。
お尻から転ぶ。
ショートソードが降り下ろされる。
リザがゴブリンの手に噛みつく。
ショートソードが落ちる。
ハクがゴブリンの首に飛び付き、
巻きつく。
ゴブリンの首より上が千切れて落ちた。
頭の中にメッセージが流れる。
<ヒロトがレベルアップしました。>
<スラオがレベルアップしました。>
<レイがレベルアップしました。>
<リザがレベルアップしました。>
<アイがレベルアップしました。>
(リザ、ハクありがとう、助かったよ。)
ハク(ヒロト、ぼーっとしてたら危ないよ。)
(そうだね、気を付けるよ。)
(アイ、今のゴブリンを鑑定してた?)
アイ(はい。)
頭の中にゴブリンのステータスが表示された。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前:なし
種族:ゴブリン
性別:♂
レベル:10
HP:95/95
MP:10/10
スキル:
なし
その他:
ゴブリンキングの眷属
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ゴブリンはレベル10か。
強いな。
そしてゴブリンキングの眷属!
どこかにゴブリンキングがいるんだ。
ゴブリンが持っていたショートソードを手にする。
とりま、武器GETだ。
(こんな奴等がいっぱい来たら怖いな。アイ、上昇して周囲警戒!敵が来たら教えて。)
アイ(はーい。)
ハク(死体はどうする?)
(魔物には魔石ってあるのかな?)
ハク(あるよ。)
(じゃあ魔石だけ取って処分かな?あっもしかしたら、人間の町で冒険者ギルドの討伐依頼があって、お金を貰えるかも知れない。死体はハクの異次元に収納出来る?)
ハク(出来るよ。)
(ハク、魔石取って。)
ハク(え~。なんかヤだな~。)
スラオ(僕、魔石、取る。)
スラオが千切れた首からゴブリンの体内に入り魔石を取ってきた。
(スラオ、有難う!)
スラオはニコニコして得意気だ。
ハクが魔石を取った死体と、飛んだ首を異次元に収納した。
ハク(飛び散った肉片と血痕を処分しないと臭いで魔物が集まるよ。)
(スラオ、肉片と血痕を吸収して。)
スラオ(はい。)
肉片と血痕はスラオの消化吸収で掃除して貰った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます