第7話 土蜘蛛

(皆のステータス確認だ。レベルアップしたしね。)

ハク(私はしてないよ。)


(知ってる。頭の中に皆のレベルアップのメッセージが流れた。その中にハクのメッセージは無かったからね。)

ハク(う~。もっと強いの倒そうよ。)

(待って待って、少しずつだよ。りは無理だよ。危険過ぎる。)


皆のステータスを確認。

眷属共有のスキルで、眷属のステータスを確認出来るようになったので、確認が楽になったなぁ。


性別とHP/MP、その他は除いて確認。


名前:スラオ

種族:スライム

レベル:3

スキル:

 消化吸収(LV3)

 物理耐性(LV3)


名前:レイ

種族:木霊こだま

レベル:3

スキル:

 植物憑依(LV3)

 認識阻害(LV3)

 回復魔法(LV1)NEW


名前:リザ

種族:フォレストリザード

レベル:3

スキル:

 木登り(LV3)


名前:アイ

種族:フライングアイ

レベル:3

スキル:

 鑑定(LV3)

 浮遊(LV3)

 MP吸収(LV3)


-----------------

皆はレベル3にアップしていた。

そしてレイは回復魔法を覚えた!

良いね。


そして俺は・・・。


名前:サトウ ヒロト

種族:人間

職業:魔物使い

レベル:2

スキル:

 テイム(LV10)

  眷属化(LV10)

  眷属共有(LV10)

  眷属強化(LV10)

  眷属経験値UP(LV10)

  眷属進化

  眷属召還

SP:1


うっ、俺だけレベル2だ。

と言うことは、眷属経験値UPは眷属だけに有効なんだ。

それもそうか経験値UPだもんね。

ガッカリ。


ハク(どうしたの?ガッカリしてるけど。)

(俺だけレベル2で皆はレベル3に上がってた。)

ハク(そか~。まあ、魔物使いは眷属が強くてなんぼだから、眷属のレベルが上がればいいよ。)

(そうだね。割り切ろう。)


その時、上空で警戒していたアイから念話があった。

アイ(前方、左、何か、動く)

(アイ、鑑定して。)


アイから鑑定の情報が念話で届く。


名前:なし

種族:土蜘蛛(つちぐも)

性別:♀

レベル:15

HP:2/95

MP:10/10

スキル:

 蜘蛛糸(LV5)

 毒(LV5)

 消化液(LV5)

 小蜘蛛生成(LV5)

 蜘蛛眷属化(LV1)

 変化(LV1)


土蜘蛛?日本の妖怪みたいだな。

レベル15はなかなか強そうだ。

けどHPがほぼ無いじゃん。

(助けようか。)

ハク(あら、優しいのね。)


俺達は土蜘蛛の近くに行った。


そこには、体長50cmぐらいの巨大な蜘蛛が傷付いて蠢いていた。

黒褐色の剛毛。

身体は頭胸部と腹部からなり、通常の蜘蛛と同様に鋏角きょうかく1対、触肢しょくし1対、歩脚ほきゃく4対がある。

口の前に鎌状の1対の鋏角きょうかく

(他の動物の上顎うわあごや牙に相当)

その後ろに1対の触肢しょくし

(他の虫の触角や下顎したあごに相当)

4対の歩脚ほきゃくは8本の足。

歩脚の先端には鋭い爪。

2列に並んだ8つの目。


「テイム!」

土蜘蛛つちぐもをテイムしました。>


土蜘蛛はビクッと震えた。

ステータスが倍になったからね。

ビックリするよね。

(俺はヒロト、宜しくね。君の名前は『スパ』にするね。)

スパ(は、はい・・・。)

スパは戸惑っているようだ。


(レイ、回復してあげて。)

レイ(はい。)


レイが回復魔法ヒールを何度か唱えると、土蜘蛛は回復した。

スパ(ああ、有難う御座います。)

スパは落ち着いてきた。


(何があったんだい。)

スパ(私は遠く南の島から土地を追われて逃げてきた土蜘蛛の一族の一人です。ここに来るまで仲間達が減り、私と数名だけとなりました。そこにゴブリンどもの襲撃があり、仲間達は殺され、残されたのは私一人になりました。)

(そうか。)

何て声をかければいいんだろう?


ハク(命が助かって良かったね。いつかゴブリンをやっつけよう。)

スパ(はい!)


ね。ゴブリンキングは強いから、先ずはレベルをあげないとね。)

ハク、スパ(ゴブリンキング!)


(さっきのゴブリンがゴブリンキングの眷属だったんだよ。)

ハク(そうか~。なんかゴブリンが多いと思ってたんだ。キングが現れたんだ。納得。)


(スパの蜘蛛眷属化って何?)

スパ(蜘蛛を眷属に出来ます。眷属にした蜘蛛から念話で情報を受け取れるので、密偵として役に立ちます。小蜘蛛生成で生成した小蜘蛛も同様です。)


(おお!良いね。蜘蛛の魔物も眷属に出来るの?)

スパ(この森にはフォレストスパイダーという蜘蛛の魔物がいましたが、眷属化出来ませんでした。)


(そうか。LV1だったからレベルが上がれば、魔物も眷属に出来るかもね。いずれにしても凄く役に立つスキルだ。周りに小蜘蛛を放って警戒も出来るんじゃない?)

スパ(自分が動かない時は良いのですが、歩いてる時は小蜘蛛の速度はそんなに速く無いので先行出来ません。後方警戒ぐらいです。)


(後方警戒出来れば助かる。後方警戒に小蜘蛛を放って。)

スパ(小蜘蛛達は現在周りに放ってますので、ある程度、周囲は警戒出来ています。敵になるような魔物はおりません。)


ハク(おお!良いね。じゃあ、私達が近づいた事も知っていたんだ。)

スパ(知っていましたが、怪我で動けませんでした。)

ハク(なるほどね。)


(スパの変化ってスキルは何かに変化出来るの?)

スパ(身体の大きさを変えられます。)


(取り合えず、小さくなって左手にくっついてて貰おうかな。レイの認識阻害で見え難くなるはずだし、歩かなくても良いから楽でしょう。)

スパ(承知しました。)


そして、また南に歩き出す。

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