第252話 窮奇(その1)

アレクス「妊娠!それはおめでとう御座います。


なるほど、それはご心配ですね。戦力のかなめである皇后様と后妃様達が出撃不可とすれば対応が限られましょう。」


「そうそう。そうなんだよ。」


アレクス「皇帝陛下は全体把握と戦術考案指示。


スラオ様は陛下の護衛と緊急要員ですね。」


「そうそう。」


アレクス「残るヴァンス伯爵、オニバル将軍、マシラン将軍は渾沌コントンの備えと言うとこでしょうか?」


「流石、分かってるね。」


アレクス「何とも物凄い布陣ですな。


通常なら過剰戦力も良いところなんでしょうが、相手が悪神四凶ですからね。


過剰とも言えずむしろ不安ですね。


一般兵では足手まといになるので出撃はさせない方がよいでしょうから、出撃させるのは一騎当千の強者に限る。」


「うむ。」


アレクス「一騎当千の強者は、軍の関係者以外にも、樹海帝国にはまだまだ大勢おりますよ。」


「え!そうだっけ?」


アレクス「陛下が今まで一緒に戦ってきた仲間達は皆一騎当千です。


恐らくは、必要に迫られず進化を保留していますが、帝国の危機となれば、喜んで進化して戦ってくれるでしょう。」


「誰々?」


アレクス「その方達は、

魔女の魔法国王ウィーラ伯爵、

エルダーリッチの勇者ユイ様、

ダークハイエルフのダークエルフ国王女グレイア様、

リッチの宰相デレイズ様、

コボルトエンペラーのコボルト国王コボ1様、

ゴブリンエンペラーのゴブリン国王ゴブ1様、

オークエンペラーのオーク国王オク1様、

古龍エンシェントドラゴンの古龍山脈国王ドライマ様、

コボルトエンペラーのコボ5国王コボ5様、

蛇王国王女リンダ様、

スペクターキングである大自然北部領主アレオン様、

キラーアントエンプレスである砂漠の領主アンナ様、

カーバンクルの相談役カイン様、

そして、四聖獣の白虎様、朱雀様、玄武様、青龍様、

最後に后妃サクラ様の使い魔である猫又のミサキ様、

ヒナ様の使い魔九尾の狐キュウ様。

ユイ様の使い魔火の鳥のフェン様。


少なくとも以上20名の皆様は一騎当千の方々です。」


「そうか。ウィーラとユイは緊急時の対応をお願いするつもりでいたが、確かに各国王と領主の中にも歴戦の強者はいたな。」


カインは疑問だけどね。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

樹海帝国北部古龍山脈。


窮奇キュウキ

虎の姿に鷲の翼。

鋭い牙。太い爪。

体長は10m。


空中で古龍エンシェントドラゴンのドライマと向かい合っていた。


ドライマは傷付いている。


ドライマ「山脈を無断で通るのは許せん。」


窮奇キュウキ「我は誰の束縛も受けん。行きたいところに行く。退け!樹海帝国の結界を壊すのだ。」


ドライマ「樹海には入らせない。」


窮奇キュウキは邪気をまとう。


咆哮。


空気が震える轟音。


ドライマはバランスを崩す。


窮奇キュウキが飛び込む。


爪の一閃いっせん

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