第359話 饕餮(その9)

モリー公爵軍が国境まで進軍してきた。


樹海帝国軍は、野戦で決着するため砦から出て対峙している。


モリー公爵軍は国境に到着するとそのまま樹海帝国軍に突撃してきた。


ヴァイラ「出撃準備!」


ヴァール「罠発動まで5、4、3、2、1、GO!」


モリー公爵軍の進む地面が崩れる。


ダンジョンの罠『落とし穴』だ。


深さは50cm程度。


しかし、範囲が広い。


モリー公爵軍全軍の地面が一気に50cm沈んだ。


走っていた兵士は転ぶ。


歩いていた兵士、動かなかった兵士もバランスを崩す。


そして伏兵の弓兵が魔法兵が周りに転移で出現した。


ヴァイラ「射て!」


ヴァイラの声が風魔法で戦場に響く。


周りから一斉に矢と魔法が放たれる。


モリー公爵軍の兵士は次々と射たれていく。


ヴァール「突撃!」


正面で対峙していた樹海帝国軍の兵士が出撃。


同時に弓兵、魔法兵は転移で正面で対峙していた軍の後方に移動。


変わりに重装備の兵が現れ、突撃を始めた。


包囲殲滅の布陣。


ヴァイラ「復元!」


落とし穴が一気に復元された。


何とかバランスを崩しながらも、体勢を整え始めたモリー公爵軍の兵士はまた体勢を崩す。


体勢を崩したところに周りから一気に攻撃を始めた。


モリー公爵軍は樹海帝国軍に蹂躙されていた。


陣幕の中で幹部が状況を見て、余裕で話始める。


ウィグル「これでもう終わりだな。」


ヒポリュテ「呆気ない結果だったな。」


ヴァンス「まだ、終わってないぞ。最後まで気を抜くな。」


ウィグル「いやいや、ここから逆転されることは無いでしょう。」


ヒポリュテ「うんうん。」


その時、モリー公爵軍の中央に黒い闇が現れた。


ヴァンス「何か出てくるな。」


ヴァンスはオニバルとバズに念話で伝える。


ヴァンス(オニバル、バズ、念話で見てるか、何か来る。出撃準備だ。)


オニバル(承知。)


バズ(了解。)


黒い闇は不吉なあの形に変わる。


ヴァール「饕餮トウテツ!」


饕餮トウテツが出現した。


四凶の一柱|饕餮トウテツ


体長10m。

羊の身体。長く白い縮れ毛。

人間の顔。荒々しい男の顔。

大きな口。虎の牙。

顔にある目は閉じている。

大きな羊の巻き角。

手足は人間のようだ。

脇の下に大きな目。


ヒポリュテ「あれが・・・饕餮トウテツか!」


禍々しい気配と圧倒的な存在感。

ヒポリュテ、ウィグルは立ち尽くすだけ。


ヴァンス(バズ、遺体は最速でダンジョンに吸収しろ!)


饕餮トウテツが羊の毛を伸ばし、モリー公爵軍の兵士を拘束し、口に運ぶ。


しかし、遺体はあっという間にダンジョンに吸収されていった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

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新作投稿しました。

4/22 17:00

第1話スタートしました。

気が向いたら読んでみて下さい。


タイトルは、

『Sランクパーティーに捨てられたポーターは実は最強の空間魔法使いだった。~虐げられた世界に復讐して『ざまぁ』するんだぁ!~』


URLは

https://kakuyomu.jp/works/1177354054895829006

です。


宜しくお願い致します。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

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