第103話 獣人国VS魔王軍(その2)

ガネーシャの屋敷で

象の獣人ガネーシャと

獣人国からきた二人、

(狐の獣人宰相リキンスと

ゴリラの獣人将軍グンゴル)

の話は続いている。


ガネーシャ「色々言ってみたが、

今現在私は兵を持っていない。

出兵する兵は領地にいない。」


グンゴル「え!どう言う事だ。」


ガネーシャ「ヒロト王の傘下に入ると同時に、

兵は全てヒロト王の軍の配下に入った。」

グンゴル「馬鹿な。

身を守れなくなるぞ。

敵に攻め困れたらどうする?」


ガネーシャ「ここに来る途中、

多くの石像は見たか。」

グンゴル「多くの石像は見たよ。

だが石像に町は守れんぞ。」


ガネーシャ「あの石像は

ヒロト王配下のガーゴイルだ。」


グンゴル「ガーゴイル!」

リキンス「では、戦争時にガーゴイルが戦うのか!」


ガネーシャ「そうだ。

それにオーク軍が攻めあぐねた

妖精族の結界装置がここにある。」


グンゴル「何だって!うーむ。」

グンゴルが考え込む。


リキンス「なるほど、

それなら充分守れるな、

前のガネーシャ領以上の戦力だ。

籠城して充分救援を待てる。」


ガネーシャ「それに伴い、

この領地では軍備に予算を掛ける必要がなくなった。

リキンスにはどういう事か分かるよな?

領地の予算の半分は軍事費用だ。

それが丸々経済発展の為に使える。

ケットシー、ウェアウルフ、猿人の領地は

今や空前の経済発展をしている。

その要因のひとつがこれだ!」


リキンスがゴクリと唾をのむ。

リキンス「それは凄い・・・。」


ガネーシャ「俺は獣人国に毎年税金を払っていたが、

俺の代で王家に守って貰った事はないし。

我が領地に何らかの還元があったことも無い。

その上領地の予算で出兵を強制される。

一方、ヒロト王にはまだ税金を払ってないが、

領地の民の危機にオーク軍より守ってもらい、

復興支援を受け、

守護の魔獣と結界を貰った。


リキンスよ、

宰相として獣人国の政策は正しいのか?

行き当たりばったりの王家に、

ついていけないのは当然と思うがね。」


リキンス、グンゴル「・・・。」

リキンスもグンゴルも声も出ない。


ガネーシャ「最後に一つ。

武道大会の開催に合わせて、

魔王軍が出兵してきたな。

あまりにもタイミングが良すぎる。

武道大会の発案者は新官僚の一人だったはず、

そいつは魔族の工作員の可能性があるぞ。


また、武道大会に合わせて工作員が

大量に国に入り込んでるぞ。

籠城しても内部から工作員が

暴れる事を考えると籠城は出来まい。


兵数に大きい差があり、

しかもオーガと獣人では

圧倒的にオーガの方が強い。

野戦で勝つ要素もないぞ。

どうする?」


リキンス、グンゴル「・・・。」

リキンスとグンゴルは押し黙る。


リキンス「ガネーシャの言う通りだ。

反す言葉もない。

立場がなければ俺も樹海王国の傘下に入りたいところだ。」


グンゴル「だが、負けが決まった訳ではない。

やってみれば、あるいは・・・。」


宰相リキンスと将軍グンゴルは

すごすごと帰っていった。


「スパ1、ガネーシャは俺を持上げ過ぎだし、

言い過ぎだ。

獣人族は属国になるしかなくなったぞ。

あとは獣人国は情報戦に疎いから、

魔王軍に情報が漏れる。

ガネーシャに一言注意しておいてくれ。」


スパ1「承知しました。」


念話が出来ないと不便だ。

全くもう。

ガネーシャの作戦か?

獣人国を助けたいんだな。

獣人国の使者が樹海帝国に来るなきっと。

どうしよ。

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