第107話 獣人国VS魔王軍(その6)

樹海王国の軍隊が全て撤退し、

領地に帰った貴族もいる為、

獣人族の謁見の間は人数がかなり減っていた。


グンゴル「魔王が軍攻めてきます。

ぐずぐずしてる暇はないですぞ。」


ライガン「うむ。この人数で

野戦をしても勝ち目はない。籠城だ!」


ライガンはグンゴル将軍を向いて命ずる。

ライガン「グンゴル、籠城の準備だ。」


グンゴル「はい。承知致しました。

行くぞ!」

グンゴル将軍は周りの貴族と共に

謁見の間を飛び出していく。


ライガンは次に豹の獣人を向いた。

ライガン「ジャガル、樹海の王の言葉を信じて、

住民はガネーシャ領に退避させてくれ、

倒れているライゴーとライカも一緒に頼む。」


ジャガル「承知しました。」

ジャガルと数名の兵士は

傷付き倒れているライゴー王子、

ライカ王女を抱え、謁見の間を出ていく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


獣人国の籠城の準備が終わった頃、

進軍するガランド軍が見えてきた。


ガランド「皆の者!突撃だ!獣人達を蹂躙せよ!」

ガランドの命令でガランド軍は獣人の城に殺到する。


ガランドはオーガエンペラー

身長は250cm。

金髪でぼさぼさの長髪。

額に両脇に短い二本の角。

大きい目、赤い瞳。ギョロ目。

いつも睨んでいるようだ。

身体は薄い朱色。

赤いアダマンタイトの鎧を装備。

その上に虎柄のマント。

トゲ付きの黒いアダマンタイトの

棍棒を持っている。


同時に城の門の中で、

獣人と魔王軍工作員の戦闘が始まる。

グンゴル「うーん。工作員は

考えていたより多かったな。」

ほどなく、門は爆破された。


そして、城壁の上からガランド軍に

向けて弓を構えている獣人に対して

城壁の内側から、矢が放たれる。


ガランド軍は門から浸入し、

獣人達を蹂躙していく。

獣人達は総崩れとなった。


グンゴル将軍にガネーシャの言葉が

脳裏を過る。

『武道大会に合わせて工作員が

大量に国に入り込んでるぞ。

籠城は出来まい。』


「ガネーシャの言った通りだったな。

始めから勝ち目はなかったんだ。

樹海の王の援軍が来た時、

王は臣下の礼を以て

向かえるべきだったのだ。」

グンゴルは呟いていた。


ライガン「これまでか・・・、

いや、まだ勝ち筋がある!」


ライガンは城を飛び出す。

大剣を抜いてさえぎるガランド軍の

魔物や兵士を倒しながら、

ガランドに一直線に向かっていった。


ライガン「俺は獣人国王ライガンだ!

ガランド勝負しろ!」


ガランド「ふっ、獣人の王か、

いいだろう。」


ライガンは踏み込み、

大剣を上段から振り下ろす。


ガランドはそれを棍棒で受ける。

ライガンとガランドの身長はほぼ同じ。

ガランドの身体から魔力が溢れてくる。

すると、ガランドは棍棒で

少しずつ押していく。

そして、ガランドがライガンを

蹴り飛ばした。

ガランドは倒れたライガンを

棍棒で粉砕した。


ガランド「獣人国王ライガンを

討ち取ったぞー!」

棍棒を掲げたガランドの叫び声が

戦場に響き渡った。

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